夢から覚める夢を見る
昨夜、夢を見た。 久々の悪夢。 ストーリーは忘れたが、胸が重苦しく圧迫され、身体が一切動かせなくなって、焦っている夢だ。 あまりに苦しくて、「助けて…」と声に出そうとするが、声にならない。まるでコントロール不能な夢に閉じ込められてしまったかのようだ。 それでも、夢の中で口を動かそうと、必死に言葉にならない「助けて…」を繰り返し続けた。 おそらく、肉体の方は「あうあうあう…あうええ…たすけて…」と、徐々に声が出ていた様子。 夢を見ながらも、隣で寝ている夫の意識が私に向けられるのを私の感覚は察知していた。私の脳内レーダーに、ピコ〜ンと、夫意識の飛来を示す点滅を捉えた感覚。うまく説明ができないが、なぜか分かるのだ。 「どうしたの?」 夫の声が左側から聞こえてきた瞬間に、サアーッと、重苦しい呪縛が消え去り、私はすっかり軽く、自由になった。 ああ、夢だった。呪縛は夢だった。何からも縛られていないし、苦しみすら夢(幻想)だった。覚めてしまえば、なんてことはない。これが夢の正体だ。 横で心配してくれている夫には悪いが、私はすっかり安心してしまい、夢から覚めた夢を見つつ、眠りに入っていってしまった。 朝、起きてからあらためて夫に確認してみた。 確かに私が夢にうなされて「たすけて…」と言ったので、実際に声をかけてくれたそうだ。夫の「どうしたの?」の言葉をきっかけに、私は夢から覚める瞬間を半覚醒のウトウト状態で味わった。 ああ、これが現実と思い込んでいる幻想の正体なんだ。覚醒とは、今の自分とは異質で異次元の世界の話しではない。何も特別なことをしなくても、タイミングさえ来れば、ささいなきっかけでも私達は自然に目覚めるのだ。 「ああ、なんだ。夢か…」目覚めた瞬間に全てを思い出す。私達は何ものにも縛られてはいないし、今までも今もこれからも、どの瞬間も、自由であった。 私達は、毎晩眠りにつき、夢を見て、毎朝目覚める。 実は、魂の目覚めを繰り返し体験していたのではないだろうか。 そんな気づきがあった。 こちらの花の背景にあるパステル画は 催眠誘導により、潜在意識優位のまま、体の自然な動きに任せて、以前描いたもの。(11月2日) 手を動かしていた時には思考を使っていないため、何を描いているのか、サッパリ理解していなかった。 描き終わってから、タイトルをつけるため、思考を使って、初めていろいろ解釈