ノベルセラピー体験~ミカエルの演奏会
12月1日
ヒプノセラピスト仲間と4人で、忘年会を開催した。
仲間の一人が自宅を会場に提供してくれたので、それぞれが料理を持ち寄って、一年間の労をねぎらい乾杯したのだった。
ヒプノ大好き仲間の集まりなので、潜在意識の神秘を垣間見るワークは全員垂涎もの。
食事前のひととき、ノベルセラピー体験をさせてもらった。
とても面白い内容なので、ここに紹介させていただきたい。
☆ノベルセラピーとは
「ノベル・セラピーとは、即興で物語を作るグループセラピーのことです。セラピストの誘導によって、約30分という短い時間で作った物語を、グループ全員の前で発表します。
ノベル(小説)の主人公を自分ではない第三者にすることで、心の痛みや深い思いを自分以外に語らせることができ、心理的なダメージを最小限にします。また、即興で作ることで、とっさに出てきた飾ることない本音を捕まえる狙いがあります。
ノベル・セラピーという造語は、協会の発足者であるOjha Emu Gotoが2019年11年に自分のワークショップで使ったのが最初になります。まだこのセラピーは日本では珍しいですが、ヨーロッパにおいては、“ドラマ・セラピー”という名称で、同様のセラピーが市民権を得ています。主に会社組織が社員のメンタルケアのために、ドラマ・セラピストを招いてワークショップを行うのが主流のようです。今後、新しいタイプの心理療法として、多くの施術現場に取り入れられることを確信しています。
(中略)
現在、すでに日本中の多くの人々が体験していますが、体験者からは「30分ほどで作られた物語が人生の羅針盤になっている」という声も少なくありません。痛みを伴うことなく、ワクワクする想像と創造の遊びの中で、自分の素晴らしさを発見したり、本当の望みや夢を見いだせるのです。そんなノベルセラピーの世界へ、ぜひ飛び込んでみませんか?
“あなたの心理カウンセラーはあなた自身です”」
ノベル・セラピー協会ホームページより抜粋
About | ノベルセラピー協会 (noveltherapyjapan.com)
☆13の質問に直観で答え、メモをしていく
①主人公は?人?お花?動物?石?なんでも。
②主人公の名前
③人間なら何歳くらいか
④どんな格好か
⑤住んでいる場所。家族。
⑥今の精神状態
⑦主人公に宝探しをさせる。宝物は何か。
⑧宝探しはどうやってやるか。
⑨途中で障害(邪魔)が入る。どんなことか。
⑩主人公に障害を乗り越えさえる。その方法。
⑪宝物を見つける。どこで。
⑫宝物を見つけた主人公の今の気持ち
⑬宝物を見つけて、その後どうなったか。
これら13の質問に答えていくと、
「別離」⇒「試練」⇒「帰還」という物語の型となる。
頭を使って考えず、パッパッと答えていくところがポイント。
思いうかんだらすぐメモ。
つじつまが合わなくても構わない。
☆メモを見ながら、参加者の前で物語にして語る。
参加者は目をつむって、静かに聞く。
語りの後は、みんなでシェアタイム。
ここまでで、既にかなり癒されて満たされた気持ちになっている。
☆宿題
自宅に帰ってから、このメモを使って物語を完成させる。
13の質問に答えていた時は直観からの答えなので、右脳を使っている。
今度は、文章にしていくので、左脳を使う働きとなる。
このように、右脳と左脳を両方働かせるところに効果がある。
文章にしたものをあらためて読み直すと
潜在意識から今の自分へのメッセージが読み取れる。
☆私の作品
『ミカエルの演奏会』
光の玉があった。
白くて、輪郭がほわほわっとしていて、柔らかく光っていた。
名前は無い。
その光の玉は、どんな姿に変身することもできた。
気が向くと、人間のような姿になってみることもできた。
白い衣を纏った美しい青年の姿に好んで変身した。
その姿になった時は、ミカエルと名乗った。
人間の年齢に換算すると、700歳くらいと言えるかもしれないが、そもそも光の玉には、時間の感覚は無かった。
永遠の今に存在している光だったから。
さて、その光の玉が、ミカエルになって遊んでいた時の話をしよう。
ミカエルは、優しいピンク色の雲の中で、ゆったりと過ごしていた。たいていは、心地の良い雲の中で一人、体を震わせて自身からあふれ出てくる音に身を委ねていた。
音と一体となって揺蕩う感覚がとても好きだった。
ある日、ふと思いついた。
この音を、誰かと一緒に味わってみると、どうなるのかな?
「誰か・・・」とミカエルが想像すると、肩のあたりに可愛らしい小さなリスが出現した。
「きみが、ぼくと一緒に音を楽しんでくれる相棒だね。よろしくね。さて、きみのことを、何と呼んだらいいのかな?」
ミカエルは、肩のあたりにチョコンと乗っている小さな動物に声をかけた。
「ぼくの名前は、ネルランだよ。よろしくねミカエル!」リスは、陽気に答えた。
ミカエルは、すっかり嬉しくなって、体をブルブルっと震わせた。そうすると、今までよりも豊かな音が、体からあふれ出してきて、あたりを振動させた。
「きゃあ~っ!」ネルランの悲鳴が聞こえた。ネルランが、肩から振り落とされてしまったのだ。
「ああ、ごめんごめん。ぼくが体を震わせると、ネルランは、肩に乗っていることが難しくなってしまうね。そうだなあ。どうやって音を出そうか。体を震わせる代わりに、何かを震わせればいいのだよね。う~ん。」
ミカエルとネルランは、相談をして、空気を振動させる楽器を作ることにした。
それは、木に弦を張ったもので、後の地球ではライアーと呼ばれるものに似ていた。
さて、空気を振動させる楽器を想像して、手元に出現させてみたのだが、どうも弦の響きが思うようにならないのだった。
「う~ん。どうしてかなあ。構造はこれでいいはずなのだけど。ぼくの音とちょっと違うんだ。」ミカエルは、困ってしまった。
「きっと、ミカエルの音を奏でられる弦が、広い世界のどこかにあるはずだよ。一緒に探しに行かない?」ネルランがミカエルを誘った。
「そうだね。ぼくの想像を超えたものは作れないから、ここから出て、探しに行ってみようか。」ミカエルは、ネルランと広い世界へ旅立ってみることにした。
ミカエルは、ネルランを肩の衣にしっかりと包み込んでから、背中の羽を広げ、上空に飛び立った。そう、ミカエルは後の人間世界では天使と呼ばれる姿をしていたので、羽を使って空を自由に飛ぶことが出来たのだ。
上空を飛んでいると、進行方向に、黒い雲が広がっているのが見えてきた。雲の内部はピカピカと光って、轟音が鳴り響いていた。雷雲だ。
「ミカエル!このまま進むと危ないよ!」ネルランは、肩の衣からちょっとだけ顔をのぞかせて、悲鳴を上げた。
「あはは、大丈夫だよ。ぼくに任せて!」
ミカエルは、大きく息を吸い込んでから、ふーっと息を噴き出した。そうしたところ、あっという間に黒い雲が飛ばされていった。
おかげで、無事に空の旅を続けることが出来たのだった。
やがて、下界に美しい森が広がっているのが見えてきた。
「ネルラン、とても気持ちのよさそうな森が見えてきたよ。あそこに降りてみようか?」
「うん、いいね。ぼく、森は好きさ。」
ミカエルは、ネルランと森に降りてみることにした。
ちょうど、夜だったので、森の中は暗かった。森の中心あたりの、やや小高くなっているところには、長老と呼びたくなるような大木がどっしりと根を生やしていて、そのまわりは広場になっていた。その長老の木には洞があって、なぜか内部から光が発せられていた。
「わあ!あれ、見てごらん。あそこだけ光っていて明るいね。何かありそうだよ。」ミカエルは、新しい発見に心を躍らせて歓声を上げた。
「わあ!本当だね!あの洞の中に、探しているものが見つかるかもしれないね!」
ネルランも嬉しくなって、歓声を上げた。
広場に降り立ったミカエルは、長老の木に近づいて、光っている洞の中にそうっと手を差し入れながら、「ぼくの音を奏でられる弦が入っていますように。」と祈った。洞の中を探ってみたところ、何かが手に触れた。それをつかみ出してみたところ、それはまさしく弦だった。
「やった・・弦だ・・。長老さん、ありがとうございます。」
ミカエルは、しみじみ喜びを噛み締めて、長老の大木に頭を下げた。
「ミカエル、どんな音が奏でられるか、早速やってみようよ。」
ネルランは、待ちきれないという様子で、ミカエルを促した。
ミカエルも、早く音を確かめてみたかったので、早速ライアーに新しい弦を張り、そっと鳴らしてみた。
「ああ・・・この音。ぼくの音・・・ぼくの振動の音だ。」
ミカエルは、長老の大木がそびえる広場に座り込んで、夢中になってライアーを奏でた。
ネルランは、もう振り落とされる心配が無いので、安心してミカエルの肩の上にくつろいでライアーの音色に聞きほれていた。
音色は夜の森に響き渡った。
気が付くと、音に誘われて、たくさんの動物が広場にやってきて、ミカエルの演奏に耳を澄ませていた。
ライアーの音に合わせるように、風が葉をゆらし、サヤサヤと音を奏でた。動物たちも、それぞれの音を奏ではじめた。熊は、切り株を叩いてド~ンド~ンと拍子をとった。牡鹿は、角をぶつけ合って、カーンカーンと澄んだ音を響かせた。小鳥はソプラノで歌い、フクロウはアルトで加わった。音が一つ、またひとつと重なり合い、森の生き物たちが奏でるハーモニーとなっていった。
ミカエルは、今までにない感動で胸がいっぱいになっていた。
「ぼくは、今まで一人で自分の音を楽しんでいた。でも、ネルランという友達が出来て、誰かに音を聞いてもらう喜びを知った。そして、旅に出て、もっとすごいことに気が付いたよ。」
ミカエルは、ライアーを奏でながら、肩のネルランにそっと話しかけた。
「そうなんだね。いったいどんなすごいことに気が付いたの?」
ネルランは、うっとりと、夢見心地になって聞き返した。
「いろんな音があることを知ったよ。そして、いろんな音を合わせると、一人の想像をはるかに超えた音の重なりとなって、それはひとつの音であるよりも、ずっとずっと心地よくて、あったかくて、なんだか涙が出てきてしまいそうになるってこと。この穏やかな嬉しい気持ちのこと。こんな感覚がぼくの中にあるってことに気が付いたんだ。」
「別々だけど、ひとつに合わさった時、もっと嬉しくなるんだね。ミカエルが嬉しいとぼくも嬉しい。もっともっと嬉しいよ。ありがとう。」
ネルランも泣きそうになって、でもちょっと恥ずかしくなったのか、ミカエルの肩の衣の中に顔を隠してしまった。
森の演奏会は、夜が明けるまで続いたのだった。
☆ノベルセラピーの後で
ヒプノ忘年会の参加者4名で
ソウルサウンドライアーを奏でて即興演奏会の流れとなった。
お庭の野生の鳥たちも、ライアーの響きに合わせて合唱してくれていた。
心地よくて、いつまでもいつまでも音に委ねて揺蕩っていたい感覚となった。
☆ノベルセラピーの参加者から届いた感想
「原稿を読んで、昨日の忘年会の様子がリンクしました。
4人、それぞれの人生で様々な課題、体験をして普段は分離しているけど、4人集まった時のハーモニーがあって、一人でいたら体験できない感情感覚を共有できたのでは・・・と。
楽器というツールをあえて使ったけど、何も持たなくてもその場でのハーモニ―を奏でているんですよね。
原稿を読み終えて、調和と統合、進化などの言葉が浮かびました。
体を震わせて自身からあふれ出てくる音に身をゆだねていた・・・の部分、美しいな~と。体を震わせてあふれ出てくる音が、人間なら言葉であり、声であり、体から出ているエネルギーそのものでもありますよね。
ミカエルの、誰かと一緒に味わってみるとどうなるか?の部分で、(私たち地球に暮らす人間は、分離を経験しに来たんだ!)と気付きました。
そして、ライアーの音を求めてミカエルとネルランの冒険。
長老の木の協力でライアーが完成し、森に漂う自然の音と、動物たちの音がライアーの音と調和し、ネルランにも大きな気付きが起こった!
いろいろな音があることを知り、それらを合わせることでひとつの音よりもずっと心地よく、あったかい。そして自分の中に(穏やかな優しい気持ち、こんな感覚があるんだ!)と。ここは感動しました。
私たちは、大人になって知識は多くなっても、感情や感覚はいつでもフレッシュで美しいのに、頭で判断し十分感じていないのではないか?と。
このお話の中に、私自身の気づきも多くありました。
見える世界と見えない世界の調和、統合、バランスが取れた、アート作品だと思います。 〇〇さんの魂との対話です。大事に取っておいてね。
ちなみに、リスが神のつかいとして崇められている神社があります。京都の平野神社です。リスは幸運の象徴なんですよ。」Mさん
「◯◯さんの表現力であっと言う間に最後まで読みました。
読みながら映像が目に浮かぶように感じました。
優しい気付きがすーっと心に染み渡ってきました。懐かしいような心温まる素敵なお話です。
優しい世界にもっと浸っていたいような気持ちになりました。」Nさん
「何だか予言みたいだなぁ〜と思いました。
ノベルセラピーの後の、皆んなで奏でたあの時の光景。そして今後、皆んなで奏でていくもの。
一瞬困難に見える雷雲も、フーッと吹き飛ばし、導かれるように弦を見つけ、それぞれの音で奏でる。
違った生き物が違うもので音を奏でてハーモニーとなる。本当に素敵でした」Sさん
☆私の感想
ノベルセラピーもとっても良かったです。
あの場での皆さんとの共有でもすごく満たされて
幸せな気持ちになりましたが
帰宅してから文章に表現してみて、なるほど!と、真髄の一端に触れたような感動を味わいました。
あの時潜在意識から受け取った感覚やビジョンやエネルギーを今度は左脳を使って表現しなおしていくという、右脳左脳の共同作業は、どっちが優位ということもなく見事に調和して働き合うので、今回の私のノベルのテーマ「調和~ハーモニー」に通じる気づきに至りました。
魂が感じる「幸せ」について、人間が慣れ親しんできた、自我(エゴ)が感じてきた「幸せ」との違いのようなものが、何となく描かれていたのかな?と感じています。
思考だけを使うとなかなか表現しきれない意識領域の感覚をノベルセラピーは引き出してくれたように思います。
貴重な体験でした。またやってみたいです!
思い出に残る、まるで魂の故郷に里帰りしたような一日を用意してくださいましてありがとうございました。
☆12月15日 魂の兄より感想をいただく
光、色、音、りす(動物)
長老の大木等の自然の描写を始め、
~~「サヤサヤと音を奏でた。」~~
等のオノマトペ表現は、
賢治童話を彷彿とする内容でしたので、
「ワクワク」させれられました!
ちなみに、・・
「いろんな音」:人を始め「森羅万象」!?、
「全ての存在」の現れ!?
「長老の木の祠」:古代からの叡智!?、「創造性」そのもの!?
「創造性」へのポータル!?
「弦」:全ての存在の「音(個性)」を創り出すもの!?、
「本質」のエネルギー発生装置 !?
「ネルラン」:「ネル(ねる:寝る):ラン(RUN:走る)」
=「OFF(陰):ON(陽)」
= 二元統合の象徴!?
・・等と、
「想像力」が搔き立てられ、
「言葉遊び」を楽しませて頂きました・・・
何より、
「童話」としての完成度がとても高いのみならず、
「いろんな音があることを知ったよ。
そして、
いろんな音を合わせると、
一人の想像をはるかに超えた音の重なりとなって、
それはひとつの音であるよりも、
ずっとずっと心地よくて、あったかくて、
なんだか涙が出てきてしまいそうになるってこと。
この穏やかな嬉しい気持ちのこと。
こんな感覚がぼくの中にあるってことに気が付いたんだ。」
「別々だけど、ひとつに合わさった時、
もっと嬉しくなるんだね。」
等々、・・
「真我」と「個我」の関係性を始め、・・
「存在」の本質を「物語」という形で、
伝えている様な素敵な作品でしたので、
「絵本」として、
「形」にして頂きたい、とも感じました!!
活動の中で、
お子さんと、
親御さんへ誘導瞑想を行い、
『ミカエルの演奏会』の読み聞かせ、
とかをしても良いかと思いますので、
ぜひ、
「絵本」 にして頂ければ嬉しい限りです!・・・
何はともあれ、
まずは、
しっかりと、
「休養(ネル・寝る)」して、
たっぷりと「エネルギー」を充電する事で、
2024年は、
思いっ切り、
「ラン:RUN(走る)」出来るかと思いますので、
年末は、氣の向くまま、ゆる~く、
休養をお摂り下さいね!
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