母の暴言と地球メタバース

☆母と姉(地球メタバースイベント)

以前からその傾向はあったのだが、日頃から忍耐強く母のお世話をしてきた姉の心を母が滅多斬りにし、深い傷を負わせるという事件が勃発した。

父が亡くなる前も後も変わることなく、姉は母のために奔走してきた。フルタイムの仕事で責任者の役割や家事をこなし、我が子の活動のお手伝いもし、母の要望にも応えてきた。姉は慈愛溢れるスーパーウーマンだ。人のためにひたすら尽くすそのエネルギーはどこから湧き出しているのか。おそらく自分一人のために使うささやかな時間は、通勤時の電車の中で好きな本を読んでいる間だけではないか?と思われた。

妹の私は、自分を優先してきたから、父母のことはほとんど姉にお任せだった。エネルギー不足で気力が無いことの方が多く、また、催眠療法を知るまでは、父母を許すことが出来なかった。歩み寄っては喧嘩をし、数年単位で音信不通になるというパターンを繰り返してきた。関わると傷つけられるので、距離を置くことで自身を守った。

トラウマやインナーチャイルドを癒やす手法を学んだのは癌になって仕事を退職した2020年以降のことだ。父母を愛することなど、到底無理だと思って50年生きてきたが、少しずつ歩み寄れるようになり、悪化する前に関係修復を図れるようにもなった。しかし、基本的には実家に振り回されないよう、一線を引いていた。自分の人生の方が大切だからだ。

父に介護が必要になっても、お手伝いに実家に通う気にもならなかった。母の手に負えないなら、施設に入れればよいのだとスッパリ割り切っていた。経済的に援助をしても父のために自分の手を動かすつもりは一切無かった。父の介護を巡るドタバタは、全て母と姉が引き受けていた。姉がいたから、私はそのドラマに巻き込まれずに済んでいた。

私が自分事でいっぱいいっぱいになっている何十年という間、姉は父母を助けてうまくやっていた。なぜ姉は私と違い、父母を大切にできるのだろう?一度、質問してみたことがあった。

「私はすぐ忘れちゃうから。あなたは、いつまでも人にやられたことを覚えているでしょ?」と、姉は笑った。「忘れないと生きてこられなかった。」と。その短い一言に、姉の苦労が垣間見られ、涙が出そうになった。姉の心の広さが羨ましかった。

確かに、私は母にやられたことを忘れることが出来なかった。催眠療法の幼少期退行で、何度も子どもの頃の私を潜在意識の中に救いに行った。癒やされたい小さな私は潜在意識の中にたくさんいて、催眠をやってもやっても、際限なく浮かび上がってきた。

この療法はある程度効果はあるが、学びを進めるほどに疑問も出てきた。私は講座のたびに講師を質問攻めにし、だんだん常軌を逸してしまった。「察してほしい」と釘を刺された。プロセラピストを目指していたが、この出来事を切っ掛けに催眠療法から身を引いた。ここに全ての答えがあるわけではない。当たり前のことだ。自我意識に埋没することなく意識そのものを俯瞰する手法を学べたので、意味はあったと思う。万能なセラピーはない。自分に合ったものをバランスよく取り入れていくことが大切なんだろう。私には、柔軟な心が何より必要だった。

姉は本当に母を許していたのだろうか?姉は精神世界系に一切興味が無いので、潜在意識の奥深くに未完了の感情を山程閉じ込めているだろうと思われた。そこに向き合うタイミングは魂の計画次第だから、姉の人生を信頼し任せるしかないのだが。

☆母の暴言事件勃発

父の納骨を控え、母の精神は不安定になっていた。おそらく、不安と悲しみの感情の裏返しなのだろう。母は一番近い位置にいる姉を傷つけ始めた。冷静に考えれば姉は母の大切な生命線である。姉にそっぽを向かれて困るのは他ならぬ母なのであるが、母の気持ちは収まらなかった。母は姉に暴言を吐くことで自分の精神のバランスを取り戻そうとしたのだろうか。姉からすれば、母に責められる一つひとつが、濡れ衣であった。あまりに酷い言われように、その現場に同席していた義兄と甥も啞然としていたらしい。

母は、正当な理由など、どうでも良かったのだろう。明らかにトンチンカンな言い分であろうと、姉に悪者になってもらうしか無かった。そうでないと、母の内面ではちきれそうになった負のエネルギーを吐き出せないからだ。姉は母からぶつけられた大量のエネルギーに傷つけられた。何十年間も、どんな事が起きても忘れるようにして母に尽くしてきた姉にとうとう限界がきた。

いつもは直ぐに立ち直る姉が、珍しく落ち込み続けた。「いつもの様に忘れられればいいのだけど、今回は無理。愚痴ばかりでごめん。」と姉からLINEが届いた。しばらく、姉の心も休憩が必要なようだった。


☆暴言事件の真相とは

母と電話で話をした。確信に触れないよう、事件については知らない振りをして、近況を聞いた。母はスッキリして明るかった。もしかしたら、暴言を吐いたことを忘れ、自分にとって都合のよいストーリーに書き換わっているのかもしれなかった。だから、母の言葉一つひとつを取り上げて姉の弁護をしたところで意味は無いと思われた。「そんな事は言ってない!」と本気で言い張るだろう。母を追い詰めたいわけでもない。

内面は不安定なのだろうが、姉のおかげで一時凌ぎはできたのだろう。表面的にはあまりに酷い話だが、母と姉は魂同士で協力していると思われた。目に見えない領域でカルマの解消が行われたのかもしれず、暴言が巡り巡って姉を救うことになるのかもしれないとも思った。なぜなら、きっかけが無いと、潜在意識の奥に隠した感情を認識することが叶わないからだ。姉が自身の内面と向き合うのか、また蓋をしてしまうのかは分からない。しかし、不条理な出来事は、魂から「そろそろ不要な信念を手放して次のステージへ行きますよ~。」というお知らせである。それでも無視するなら、お知らせは強烈になっていく。私のように大きな病を得て強制終了させられることにもなりかねない。姉に病気になってほしくない。学びのペースは姉次第なので、私は見守るしかないが。

☆自我の欲求に負ける

それにしても、姉が気の毒で、母に何か言ってやりたかった。私は無意識に説教モードとなり、想像の中で母にああだこうだと愉し続けた。その都度ハッと我に返り、自我の癖に苦笑するしかなかった。ああ、母を諭したい…。(=変えたい)

ふと、数年前の出来事を思い出した。私が母の一言に傷つけられ、例に漏れず音信不通体勢に入った時、姉が母を厳しく叱ってくれたことがあった。珍しく母は神妙になり、私に謝ってくれた。姉が母に意見してくれたことを後から知って、とても嬉しかった。あの時の事があるから、姉の味方になりたいと思った。

説教ではなく、私の体験談を使って言葉にしてみたら何か伝わるだろうか?そう思ったら矢も楯もたまらず、LINEに長文を打っていた。二時間かけて慎重に推敲し、母を追い詰めず、伝えたいエッセンスは残しつつ、何とか形にして母に送信した。私の気は済んだ。

それが、以下のメッセージである。

自我の欲求に負けてメッセージを送ってしまったが、母を変えたいというよりは、受容の気持ちで言葉を選んだ。この中に一つでも母の心に響くものがあり、あわよくば、姉に謝ってくれたら…と微かに願った。

☆母へ送ったメッセージ

おはようございます。

雨ですね。出勤大変ですが、私は家にいられて、ホッとしてます。雨のおかげで呼吸も楽です。この雨で紫陽花も美しく色づきますね。

コロナ後遺症で、まだ体のだるさがあるので、家でゆっくりできると幸せを感じます。

日常に、当たり前というものは無いですね。健康や人の御縁は奇跡の上に成り立っていると実感です。

今日、元気にしていた人も、いつ病気や事故に巻き込まれるか分からないです。大地震も起きるかもしれません。相手の存在は当たり前ではなく、生きていてくれただけで感謝なのだと、東日本大震災の時に学んだはずなのに、いつの間にかその気持ちを忘れてしまいました。だから、コロナに感謝です。いつの間にか傲慢になってましたから。

私は、お母さんやお姉さんと家族という御縁で結ばれたことを心から幸せに思っています。一日一日、お二人が健康で元気に生きていてくださるだけで、実はすごい奇跡なんだと、涙が出るほどありがたく感じます。

何が起きるか分からないのが世の中です。もしかしたらこの会話が最後になるかもしれないと思うと、後悔の無いようにしたいと思います。

だから、後悔しないよう、相手に発する言葉をいつも大切にし、素直でありたいです。

まだまだ未熟者なので、間違えてしまうときもあります。気がついたらすぐに謝りたいです。以前はなかなか素直になれませんでしたが。こだわりを手放すようにしています。自分が明日死ぬかもと思えば、不思議と素直になれます。こういう点では、癌にも感謝です。人生は最後まで学びの連続です。

いつもお母さんやお姉さんに、ありがとうの気持ちをしっかり伝えたいです。言葉でも心でも。

納骨までいろいろ心労もあり、毎日大変かとお察しします。

お父さん不在の悲しみを乗り越え、お母さん、お姉さん、お姉さん家族、私や〇〇くんもみんなで、仲良く思いやり合って、共に生きている奇跡に感謝しながら一日一日大切に過ごしていけたらと願います。

詳しいことは分かりませんが、お姉さんがかなりお疲れ気味のようなので、1日にお姉さんに会いましたら、お母さんと私で、お姉さんにたくさんありがとうを言って、真心から優しい気持ちを伝えられたらいいなと思います。

お姉さんにいい面はいっぱいあって、私には無い素敵な面が限りなくあるので、とても尊敬しています。

お姉さんも人間ですから、苦手な面もあります。きっとお母さんは、そこを愛を込めてフォローしたくて、いろいろ気に病んでしまうのでしょう。お姉さんを大切に思うがゆえだと思います。お姉さんをいつも大切に思ってくださってありがとうございます。

長所も短所も半分半分あるのが人間です。短所を指摘しても人はなかなか変われないものです。

愛を込めて伝え、例えそれで変わらなくとも、大切な相手なら、優しく見守っていくことはできます。ゆっくり成長する人もいます。相手の学びのペースを大切にしてあげることはできます。

相手の存在そのものが奇跡なので、まずはそのことを日々胸に刻んでいくことはできます。

まず、自分の心が先に変われば、いつの間にか周りの世界が穏やかに変化します。

相手は自分の内面の鏡ですから、気に病む相手は、実は学び合いをしているありがたい存在ととらえることもできます。

大きな喪失の悲しみを体験した後は、何気ないことで傷つきやすくなります。誰もがそんなに強くありません。いたわりあい優しさを伝えながら、共に乗り越えていく仲間なのだと思います。

お母さん、お姉さんが笑顔で過ごしてくださるのが私のささやかな願いです。

お母さんが、今日も元気に朝を迎えてくださったことに心から感謝します。

ゆったりと穏やかに一日をお過ごしくださいね。

☆母の反応

このメッセージは既読にはなっていたが、一切反応は無かった。母には受け止められない内容だったのか。まだ姉に悪役を演じてもらわなければ、感情のはけ口が無くなってしまうので、無意識に無視することにしたのかもしれない。

このメッセージには一切触れず、母からLINEの返信が届いた。掃除をしたとか、夕飯に何を食べたとかいつも通りの内容だった。

母の反応を見て、あちゃー…と思った。また、自我の反応に溺れてしまった。今度は私自身の内面を見直す必要に迫られた。

☆私の課題

私には魂の傾向として説教癖があることは前の投稿に書いた。導きたい、諭したい、この人を向上させたい、つまり変えたいという欲望である。愛に基づく行為に見せかけられるかもしれないが、愛のエネルギーから言葉を発しているわけではない。地球ルールの二元論に縛られ、境界線を引き、優越感に浸りたいのだ。困っている人々を導き救うのだという使命感は、純粋な愛ではない。原動力は偏った自己愛だ。

私は母を鏡として、その欲望に向き合わされている。母は、私のステージアップのタイミングで、試験官役を担ってくれているわけである。ここをクリアできてば、母の問題は跡形もなく消えるだろう。

純粋な愛のエネルギーで人と接するとは、どういうことなんだろう?地球転生があまりに長すぎて、私は本質のエネルギーを忘れてしまった。それを思い出す道の途上で奮闘しているのが今である。

母は私が教え諭すべき未熟で弱い存在ではない。私の内面の不要なエネルギーを炙り出すために、魂の約束に従ってその役割を演じてくれている。魂の世界に戻れば、私も母も完全な愛のエネルギーに戻るため、優劣は無い。母は私のステージアップ(ゲームクリア)に力を貸してくれているのだ。

22日に、父の月命日のため実家を訪問する予定だ。母を介して実施される魂の試験に私は合格できるだろうか。

地球メタバース遊園地は、何とうまくできていることだろう。

これをやりに来ているわけだからね。


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