正しい行動とは
「エゴはこう問う。どうすればこの状況を使って自分の要求を満たせるのか、あるいは自分の要求を満たす別の状況に変えることができるか。
「いまに在る」とは、内に広がりがある状態だ。いまに在るとき、あなたはこう問う。どうすれば自分はこの状況の、この瞬間の要求に応えられるだろう?
実はそんなことを問う必要はない。あなたは静かで意識が研ぎ澄まされた、あるがままのいまに対して開かれた状態でいる。
そのときあなたは状況に新しい次元を、空間をもち込む。そして見て、聞く。状況とひとつになる。状況に対して反応するのではなく、状況とひとつになると、解決策は自ずと現れる。実際には見て聞いているのはあなたという個人ではなく、研ぎ澄まされた静寂そのものだ。すると行動が可能であるなら、あるいは必要であるなら、あなたは行動を起こすだろう。と言うか、行動があなたを通じて起こるだろう。
正しい行動とは、全体にとって適切な行動だ。行動が完了したとき、研ぎ澄まされた広やかな意識はそのまま残る。誰もガッツポーズを取って「やったぞ!」と叫んだりしない。「見ろ、私がやったんだ」などと言う者は誰もいない。
すべての創造性は、内なる広がりから生じる。創造が行われて、なにかが形になったら、そこに「私に」だの「私のもの」だのが現れないように気をつけなくてはいけない。自分のしたことを自分の手柄にしようとすれば、エゴが戻ってきて、せっかくの広がりがじゃまされる。」
『ニュー·アース』エックハルト·トール著
257~258頁より
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