あちら側にある世界

 催眠療法を経験するようになり、どうやら、私たちが知覚している現実世界は、ほんの一部にすぎず、他の世界もあるようだ。ということが、何となく理解できてくる。

便宜上、あちら側の世界と表現してみる。

あちら側は、時間と空間が存在せず、とても高く広い視点から、全体を眺めることが可能のようだ。

あちら側の世界からの視点で、現実世界に起きる出来事を眺めると、全てが腑に落ち、心から納得して何事も受け入れるようになる。少なくとも、私が催眠療法を通して得てきた自他の気付きは、そこに集約されていく。

今朝、読んでいた本に、分かりやすい文があったので、紹介したい。

「そのような不思議なことが起きるたびに、やはりあの世はあるのではないかという思いにかられました。

人はなぜ産まれ、生きるのかを考えた時、あの世の存在があった方が腑に落ちることが多々あります。

ただ一日を過ごすだけでなく、自分の魂を成長させるために、色々な出来事や問題が起き、それを乗り超えることで、より魂が輝き、あの世へ帰る時の勲章になるのかもしれないと思えるようになりました。

たとえ肉体が滅びようと、誰からの記憶からもなくなろうと、自分が得た経験や感動は魂の勲章となって永遠と輝き続けるのです。

神、光、愛、サムシンググレートなどと呼ばれている偉大な存在は、それは、本当は自分の中にある、本質、魂の輝きに過ぎないのではないでしょうか。

ユングは集合意識と名付けましたが、私たちはたくさんの経験をするためにこの肉体を借りてこの世に産まれ、一人では体験しきれないことを、たくさんの霊に分かれてより多くの経験を積むためにこの世に生まれ、出会い、憎しみ合い、愛し合い、許し合い、誤解したり、恨まれたりしながら、それぞれの役割を演じ、互いに成長し合っているのではないかと思えるようになったのです。

そう思うことで、理不尽な出来事にも納得できた自分がいるのです。すべてはあの世に帰ればすべては明白になることなのだから。

いつか来るその日を全うできるように、この世を去る時空が来た時に笑顔でシフトできるように、今日も一日を大切に生きようと思えるのです。生死という言葉があります。生と死は、もともと一つで続いている死を身近に感じているからこそ、精一杯今を生きることができる、という意味です。」

『死後の世界５０人の証言』宝島社 52～53頁より 中ルミ(国際ホリスティック看護協会理事長)

次に、最近練習でセッションさせていただいた方からの気付きを紹介したい。とても示唆に溢れた内容で、思わず我が身に引き寄せて聞き入ってしまった。

Aさんは、小さい頃から、親から虐待され育ってきた。それは筆舌に尽くしがたく、大人になってからも、そのトラウマに苦しんでいた。そんな苦しみを何とかしたくて、催眠療法を受けることにした。色んな偶然が重なり、催眠療法に惹かれた。とても自然な流れだった。

さて、Aさんは、まず年齢退行で、小さな頃の自分を癒した。とても解放され過去の傷が癒されていくのを実感したそうだ。Aさんは、その効果に驚き、催眠の勉強を深めていく道を選択した。

勉強の過程で、胎児期退行を受ける機会があった。スクリプトの流れの中で、Aさんは、生まれる前の自分に戻る場面を体験。どんな課題を持って、なぜこの親を選んだのかを思い出す。

空の上から下界にいるお母さんを探し、「あ、この人なら、私の課題に取り組むにはまさにピッタリ！」と、選択した。

Aさんが自らに課した魂の課題は、「破壊と再生」だった。本来の自分をとことん壊し、ボロボロ状態から、本質の輝きを取り戻していくコースだ。そのためには、自分を破壊してくれる役割を担う家族が必要だった。その点、Aさんが選んだ親となる人物は、魂年齢が若く、自分の要望に応えてくれる存在だった。

目に見える、今世だけを意識した世界では、痛い目にあう苦しい体験を自ら選択してきたなんて、信じられないだろう。誰かにそんなことを言われたら、腹が立つに違いない。あんたに何が分かる！と、胸ぐらをつかみたくなるかもしれない。

しかし、催眠療法では、自分が潜在意識下で実感を伴い再体験する。誰かに教えられるのではなく、自ら思い出す。「あ、そうだった！」という深い納得が訪れる。

Aさんは、永遠の存在としての魂が、より成長するために、より輝くために、生身の人間としては過酷な人生ストーリーを選択した。その人生にドップリ浸かり、集中していれば確かに辛い。しかし、よりリアルに体験するためには、生まれる前の記憶を一旦忘れる方が、都合が良かったのだ。

心身ボロボロに傷ついたAさんは、自然な流れで癒しを求め、催眠療法に誘われ、魂の使命を思い出したのだった。彼女は、自身の体験を活かしながら、同じように苦しむ方々に寄り添い手助けをする仕事に邁進していくことになった。

今世、本来の魂の輝きを一旦忘れた存在が、再度自らの輝きを取り戻し、魂の成長を求めるという、「破壊と再生」コースを辿っている方々は、他にも多いのではないだろうか。いわば、同じ学舎の仲間が、この現実で関わる人間たちなのではないだろうか。

学舎での学齢が上の先輩は、後輩の面倒を見るように、この「破壊再生」コースで、先に破壊の臨界点を超え、再生へUターンした人々が、「私の体験では、こうするとスムーズに進むと思うよ。少し楽かもよ。ちょっと近道かもよ。」とアドバイスしたり、挫けそうな後輩に寄り添ったりしているのではないか。その姿は、目に見える形のひとつとしてAさんのように、催眠療法を施術する側になり、セラピストとして活躍する役割を担っているのかもしれない。

つまり、人生の課題は、例えるなら、理数系コースに興味があり自ら授業に出席。難しい代数幾何学 か何か、なかなか解けなくて苦しみながら取り組んでいる後輩と、やっと解けたと喜びに顔を輝かせる先輩が同席していて、自分で数式を解く喜びの機会を奪わないように配慮しつつ、あまりに難しくて投げ出しそうになる可愛い後輩を放っておけなくて、「大丈夫！きみなら出来るよ！」と励ましてくれる先輩もいる。まあ、放っておくのも愛だと思うが、これは魂の個性が現れるのだろうな。

また、Aさんが、催眠療法の中で、亡くなった親しい方の魂と対話をし、教えてもらったことがある。それは、

「肉体を持って体験する現実世界において、大変であればあるほど、肉体を脱いで次に行った世界では、すべてがクリアになり解放される。大いなる浄化が起きる。」とのこと。

つまり、どちらの世界をメインに考えるかで、価値観は異なるとは思うが

魂視点から見ると、過酷な人生体験ほど、昇級出来るのだろう。

魂の個性によるが、ゆっくりゆっくり学びたいから、今世は、穏やかで満ち足りて幸せに生きたい。というのも有りだし、メチャクチャ過酷度アップして、一気にレベルアップしたい。という欲張りコースも有りなのだろう。どちらがいいも悪いもなく、魂は永遠の存在なので、どんな学び方をしたいか。その違いにすぎない。

最後に、私が、この年末に得た気付き。とてもお世話になった方に送った文を紹介して終わりたい。

「昨日ヒプノトレーニング参加いたしました。

沢山の学びをいただき、その中で前世を受けました。

テーマに、なぜ、私は本をつくりたいのか？それは純粋な思いからなのか？自身を振り返りたくセッションをお願いしました。

江戸時代に斬首された思想家が出てきまして、思いを形にする情熱を体感しました。

また、観音様より高次元からアドバイスもいただきました。不安怖れは、自分の中から出てくるものであること。物事に必ずある二面性、光にフォーカスするのか、闇を怖れ縮こまるのかの違いであること。

宇宙に繋がる大切さ。愛を込めて本を作りなさいと励ましていただきました。

一年後を見させていただいたら、既に愛の循環しかない世界でした。

心からやりたい、表現したい思いを実現すると、自然に周りが幸せになっていきます。

今回の電子書籍をめぐる色々の中で、大いなる学びをいただきました。

潜在意識に繋げてもらえれば、宇宙視点を得て、最終的には愛ある選択に導かれ、周りも幸せになっていくことです。

催眠療法は、安全でしっかりした手法ですから、お子さまからお年寄りまで、歯医者みたいに気軽に施術を受けられる世の中になったら素晴らしいなあと感じました。

私も、お役に立てたら嬉しいです。

私の見た近未来は、既に愛の循環が実現していましたので、その未来を信じて、今出来ることを日々積み重ねてまいります。

○○の存在は、とても大きく、私の住む次元を何段階も引き上げてくださいました。全てが学びになり、愛に導かれていきました。

読んでいただきありがとうございました。」

このメールにいただいた返信

「私たちはジャストなタイミングで出会いますね。

そして、それが人生の営みを豊かにするのだと思います。

催眠もその手段の一つですね。

催眠と文章を結び付けて、あなた自身のワールドを実現されて下さい。」

2021年に感謝！

たくさんの出会いと学びに、ありがとう。

人間って、本当に面白い。

体験は、ギフト。だから、やりたいことどんどんやって、大いに楽しもう。

純粋な魂に戻った時に

「ああ、やり遂げた。悔いはない。」

そう言えるように。

今日一日を大切に、味わってまいりましょう。