間(あわい)に繋がる世界

 

今朝、宇宙につながるような

あわいを感じて、撮影


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智恵子は東京に空が無いといふ、 

ほんとの空が見たいといふ。

 私は驚いて空を見る。

 桜若葉の間に在るのは、 切つても切れない むかしなじみのきれいな空だ。

 どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ。 

智恵子は遠くを見ながら言ふ。 

阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に 毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。

 あどけない空の話である。


智恵子抄 あどけない話

 高村光太郎

より


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東京に空が無い  という文章がふと思い出されて、冒頭に紹介してみた。

私も、最近まで、東京に空は無いと思い込んでいた。

そう思う時に、人は過去に意識を飛ばしている。現実から目を背けようとしている。

しかし、もし、目の前に広がる空に美しさを感じるなら

意識は今にある。

自分が今にあると、美しいものが次々見えてくる。

過去の感動をすがるように思い出すのではなく

今、ここにあることに心をふるわせ

今を生きる喜びを実感する

私が智恵子なら

東京に空はあると、言葉にしたい

故郷の空も東京の空も

はるか彼方の外国の空もみんな繋がっていて

あわいの時には宇宙にまでつながる

みんなみんな、奥深くで繋がっている

生かされ、守られている

だから、今、私は大丈夫だと。


智恵子さん

ほんとの空は、いつもあなたのすぐ側に広がっているのよ。

そう言って、二人肩を並べて

あわいの時を静かに味わいたかったなあ。

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