宇宙友だち
もう、18年くらい前になるだろうか。
北陸に住む、ちえぴぃさん
という方とパソコンを通し知り合った。
当時、私はうつ病のため自宅療養中
パソコンで絵本や写真集、詩集など作成し、自分のホームページで発表していた。誰にも会うエネルギーは無いけど、誰かと繋がっていたい。Web上での緩い繋がりは、きっと無理なく丁度良かったのだろう。
北陸で、絵本やビーズアクセサリーを発表していた、ちえぴぃさんとは、細かい経緯は忘れてしまったが、すぐに意気投合した。彼女の作るアクセサリーは、とても可愛かったので、いくつか購入し、大切な友人へもプレゼントした。
ちえぴぃさんは、不思議な女性だった。
自分は、宇宙の星から来た魂だと語った。
当時、スピリチュアルなことは何も知らなかった私だが、ちえぴぃさんの言うことは、すんなり受け入れていた。宇宙から来たということを納得させるくらい、彼女は神秘的な愛にあふれる柔らかい個性に溢れていた。私の周りにはいない不思議なタイプだった。
何回か文通もし、写真を送ってもらったこともある。とても美しい人だった。私は、理屈無く、素直に彼女のことが大好きだった。互いに見せ合う作品や、興味の対象が似ていたのかもしれない。ちえぴぃさんの醸し出す空気は、私には大自然の森の空気のように、呼吸しやすいものだった。
当時、職場で浮いていた私は、いつも「私は、ここでは異星人みたい。皆が言っていることがわからない。」とメンタルクリニックで医師に打ち明け泣いていた。
異質な存在である私は、周りの暗黙の了解の世界が理解できず、同僚からは、「言葉にされない世界を読め。白黒つけるな。」とアドバイスされ、さらに混乱していた。皆、言葉にしなくてもテレパシーで会話しているんだな。曖昧でも許せるんだな。と、ただ悲しくて、普通にできない自分を責め、精神を病んでいった。
だからだろうか?自ら、宇宙由来であると公言するちえぴぃさんの存在が嬉しかった。きっと、異星人同士、巡り会えたような気持ちになったのかもしれない。不思議と、ちえぴぃさんとのやり取りは、心が休まった。
私が流産した時、ちえぴぃさんは、色とりどりの美しいビーズを送ってくれた。私はそれで、ビーズをつないで小さなブレスレットを作り、今も、部屋の神聖な場所に置いている。数ヶ月でも、私たちに赤ちゃんが居た証しになっている。どんな慰めの言葉よりも、救われた気がしている。
今でも覚えているのが、私がうつ病で、ドカンと落ちていた時に、送ってくれたアドバイス。
お皿を洗う時に、たらいの水にお皿を泳がせてみて。気持ちいいね。というお皿の感覚をゆったり味わってみて。
というもの。
当時、家事は面倒で辛いものだったが、このアドバイスは、180度意識が変わる新鮮なインパクトだった。おそらく、ちえぴぃさんは、動物、植物、お皿などの無機物ともお話ができたのだろう。地上の全ての存在は波動を放っている。ちえぴぃさんは、それらのエネルギーと軽やかに交流し楽しむ術を知っていたのだと思う。
残念なことに、当時の私は、お皿の気持ちになる余裕がなく、地球上での重い試練にからめとられ、ぐんぐん沈んでいった。
そして、私は、一年半の療養を経て、職場という戦場に戻った。当時、自分が社会で自立して生きるために帰る場所は、そこしかなかった。もちろん、毎日が緊張の連続で苦しみは相変わらずだったし、異質な私は同僚たちから絶えず責められていた。できるだけ感覚を麻痺させて、自分が正しいと感じることを一切信用せず、周りに振り回されながら、身を縮めて漂う日々を送った。全て自分が悪い、おかしいのだ。1日も早く、周りと同じ人間にならなくては。と、必死に過ごしていた。
そうして私の波動はどんどん重くなり、ちえぴぃさんとは関係が切れてしまった。年賀状をいただいていたのに、私が返事をできなかったのだ。彼女の軽やかさが、恨めしかったのかもしれない。
あれから18年
久々に、ちえぴぃさんを懐かしく感じ、ホームページを探したが、見つからなかった。彼女の住所も、もうわからない。
今なら、ちえぴぃさんと話が合うのに、と残念に思う。
私自身が、宇宙由来魂であることが分かっているし、波動を軽くしていくことは、本質の自分に近づくから心地よいのも分かっているし、なぜ、地球であんなに重い波動を体験することになったのかも、小さな頃から孤独感に悩み、どうしても大勢に溶け込めなかったのか、友人が少なかったのか、両親との関係が地球の常識で考えた上で、うまくいかないのか。そして、魂とか、目に見えない世界のことを探求するのを好むのか、いろんな理由全て合点がいっている。
ちえぴぃさんは、私と同質の魂だったのだと思う。将来、肉体を脱いで宇宙へ帰ったら、どこかでちえぴぃさんに再会できるかな?
ほんの短い間に、交流しただけなのに、忘れられない人。その人の言葉が、何年も何年も、私を救い支え続けてくれている。
そんな人がいたら、それは、宇宙友だちかもしれません。
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