神様は自転車を支えるお父さん
杉山響子さんの本
とても良かった
久々に、読み応えのある本に出会った
杉山さんは、目に見えない世界に対して
とても誠実だ
彼女の波乱に満ちた人生も相まって
ページが進むにつれて
彼女自身の成長が感じられ
読者も、多くの気付きをいただける
私は、3ヵ所ほど、泣いた
名も知らぬ、大いなる存在に
見守られている感覚は、よく分かる
それは、決して正体は現さないし
明確な言葉でメッセージも発しはしない
それでも
どんな苦しい時も悲しい時も
時には、人生を投げ出したくなるが
微かな気配を感じ
その見守る存在に、せめて恥ずかしくない選択をしようと、気を取り直し生きていく
杉山さんは、その存在を
子どもの乗る自転車を支えるお父さんだ
と、分かりやすく表現している
「絶対、離さないでね!ちゃんと見ててよ!
けれど、お父さんは頃合いを見計らい手を緩める
自転車は横倒しに
離さないって言ったじゃない!
お父さんを非難する
でも、少し自分で走ったじゃないか。父さん、ちゃんと見てたぞ。ちゃんと走ったからちょっと手を離したんだ。ちゃんと父さんは見ているんだぞ
お父さんに励まされ、
転んでは自転車を建て直し
やがて、グラグラと、ひとりでこぎ出すのだ
ずっと見ててよ!
見てるよ!
お父さんは見ている
神様は見ている
その人が歯を食いしばって苦難を乗りこえるのをちゃんと見ている」
杉山さんは、それこそ神の祝福と思う
と結んでいる
素晴らしい例えだなあと思う
実際、現実の私の父は
子どもの私に自転車の練習をさせたが
すぐ、付き合いに飽きてしまい
見ててくれたのは一時間ほど
私はひとりで黙々と練習
自力で乗れるようになった(笑)
だから、杉山さんの例えは、想像するしかないのだが、もし、こんなお父さんがいたら、こんな感じだろうなあと、素直に受け止めた
様々な作家さんが、神様を表現するが
私は、いままでで一番、この表現がしっくりきた
ああ、この読み終わった後の爽快感
いい作品は、人を元気にする
最後に、この文を紹介
238ページより抜粋
私たちは「なぜ人は生きなくてはならないのか」を解くための暗号に囲まれているのだ。
友だちのさりげないひと言に、印象的な本の一行に、ひどく傷ついた出来事、裏切りや失望や怒りの中に、「自分の魂とはなにか」を解き明かすヒントがあるのだ。
そうして知っていく。不幸からの気づきでよい方向へ向かうことができた時、不幸は不幸でなくなることを。
たくさんの不幸の果てに乗り越える力を身につけた人生のほうが、ラッキーに恵まれた人生よりもはるかに実りが多いことを理解するのである。
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杉山さんの本を読んで、苦労は必要なのか?数日前に考えを書いたが、また、理解は深まった
その人が体験する苦労は、必要だから起きている。学びの種類は人それぞれだから、誰かの幸福や不幸と比較するのは無意味
もし、辛いと思う出来事が起きたとしたら、ここから何かを学ぶんだな。と意識して臨むといいかもしれない。
正しく真っ直ぐに生きようと努めれば天は決して見放しはしない。それだけは信じて進んでいきたい。
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