ソマティック・ヒーリング~集団編
ソマティックヒーリング(体細胞療法)の実践会に参加してきた。
会場は東京のあきる野市。自然の美しさを満喫しながらの宿泊リトリートだ。
このソマティックヒーリングの集団セッションは、一人のクライアントに対して数人のセラピストが関わっていくチーム制となっている。2020年以降、コロナの影響で対面セッションが実現していなかった。ZOOMによるセミナーや、練習会で体験はしていたのだが、対面ならではの良さもあるはずだ。その意味でも、大変貴重な勉強の機会となった。(チーム制セッションを継続できているのは、世界でもイーハトーヴクリニック萩原医師の元での実践のみとのこと。)
ここに、私のクライアント体験を記録しておきたい。
セラピストはリード役1名。アシスト役2名。クライアント役の私は安全な場所に横になる。その周りにセラピストが取り囲むように座る。
☆テーマ
頭痛と腰痛を改善したい。
☆催眠導入
リードセラピストにより、全身がリラックスしていくよう声掛けされていく。数を逆唱され、意識が深い催眠状態に誘われていく。
☆エネルギー調節
イメージにより、地球と太陽のエネルギーを全身に巡らせていく。色やあたたかさを感じる。
☆ヒプノティック・ムーブメント(催眠運動)
体は頭痛や腰痛を和らげるために必要な動きを知っている。セラピストの声掛けにより、体が勝手に動き出す。最初は、寝入りばなに、体が自然にピックっとするような反応が複数回起きる。まわりで、3名のセラピストから、絶え間なく声掛けされる。
事前面談時に、あらかじめ、声掛けして欲しい言葉を伝えてある。「愛しているよ。大好きだよ。頑張ってきたね。生きていてくれてありがとう。可愛いね。軽くなっているよ。」周りから愛あふれる言葉のシャワーを浴びせかけられていると、胸がいっぱいになってきて、涙が流れる。生涯で、こんなに他人から愛の言葉を浴びせかけてもらえた体験は無い。複数名による声掛けは、ランダムに発せられるので、エコ―の効いたこだまのよう。同時に発せられる異なる言葉一つ一つもしっかり耳に入ってくる。言霊の渦に包まれて、まるで異次元空間を漂うような心地となる。
体が自然に大きく動き出す。ゴロンと横になり、転がっていく。セラピスト達は、その動きを最大限に実現できるようサポートする。動きの邪魔をするような椅子などをどかしたり、クッションを添えたり、タオルをかけたり、ぶつかりそうになったら、そっとサポートしたり、献身的に、全身全霊ありとあらゆる力添えをする。おそらく、この行為の段階で、セラピストの自我は消えていると思われる。
この体の自然な動きは、感情の解放にもつながっている。普段意識できていない潜在意識にため込まれた負の感情などを、体の動きや声などで開放している。げっぷやあくびの働きに似て居るかもしれない。
大きな感情が込み上げて来て、私は体をよじりながら、号泣する。ただただ、悲しい。身も心もずたずたに切り裂かれているような、すさまじい悲しみに翻弄され、横になったまま、体をよじる動きが続く。この時、大きな悲しみの感情解放が起きているのだが、私自身は、何が原因になっていて悲しいのかは分かっていない。具体的にどのような記憶に付随する感情なのか意識していないのだが、このようにして、トラウマになるような記憶をわざわざ思い出さなくても、不要な感情エネルギーを体の動きと声で開放することが出来るのだ。
わ~わ~大声を上げて、泣く。まるで駄々っこの幼い子どもに返ったように。全ての仮面を取り外し、素のままの、ありのままの私に戻り、泣きたいように泣く。
セラピスト達は、私を励まし続けてくれる。動きひとつひとつ、褒めてくれて、愛の言葉がけを続けてくれる。最大の受容を感じ、ただただ、ありのままに受け入れらている安心感の中、私は自由に動き、声を発し、ドロドロした不要なエネルギーを手放していく。
リード役より、「何か私たちにやってほしいことがあったら遠慮せず言ってください。みんな〇〇さんのためにここに集まっているのですからね。」と声掛けされる。
私は、3名のセラピストに褒めてもらいながら、頭を撫でてもらう。おそらく、褒めてもらえず傷ついたインナーチャイルドが癒されている。沢山頭を撫でてもらえて、嬉しくて号泣する。ああ、私、きっと、もっと親に褒めてもらいたかったんだな~と、微かに思う。
次に、腰と脚を撫でてもらう。人の手はあたたかい。愛のエネルギーがぐんぐん循環し、場のエネルギーが高まってくる。全身があたたかくなり、血流が勢いよくスムーズに流れているのを体感する。心も体も満たされていく。母親の腕に抱かれて、お乳をお腹一杯飲んで、心底安心している赤ちゃんの心境に近い。
20カウントで、今日必要な動きの全てを出し切る。このムーブメントは、20分ほど。
☆カラーヒーリング
頭のてっぺんから足の先まで、自分で体のあらゆる部分を上から順番に感じとる。違和感のある所に来たら、色や形、感触など、気づいたことを声に出していく。
頭上半分に、鉄兜がかぶせられているイメージ。重くて冷たくて、これを何とかしたい。その鉄兜と対話する。なぜ、あなたはそこに居るのか?と問う。鉄兜から「頭部を有害な外の影響から守っている」と回答がある。セラピストの協力もいただきながら、頭部に光のエネルギーを注いでいく。すると、鉄兜が、虹で出来たヘルメットに変化する。とても軽くなる。おそらく、有害電磁波から脳を守るために、自らエネルギー的な守りを創り出していた様子である。現代生活は、便利にはなったけれど、肉体は悲鳴を上げている。どんな田舎に避難しようと、日本の隅々に、大きな電磁波を放つアンテナは立っているし、家の中は家電やWi-Fiによる電波まみれだ。頭痛の原因が分かったように思う。体をどの様に守っていくのか、今後の課題が見えたように思う。
次に、腰までスキャンをし、腰からイメージを受け取る。大きな狐の尻尾のようなものが見える。金色で先は白い、太い尻尾だけが左右にゆさゆさ揺れている。なぜ、あなたはそこに居るのか?と問う。「このように左右に揺らすことで、体のバランスを整えている。」とのこと。腰は全身の要の部分にもあたり、生活習慣から歪んでしまった骨格の影響をもろに受けるところでもある。私は無意識に、エネルギーの世界で、ふさふさ揺れる振動を創り出し、全身を調整してきたようだった。その尻尾を「ふさふさ君」と名付ける。セラピストにお願いをし、一緒に腰をさすってもらいながら、ふさふさ君に感謝の言葉を浴びせかける。「ふさふさ君、いつもありがとう!守ってくれて、体を調整してくれてありがとう!休むことなく、働いてくれてありがとう!」全員で、腰に居るふさふさ君に声掛けを続ける。すると、ふさふさ君の顔が見えてくる。ニッコリ笑った目が浮かんでくる。「生まれて初めてお礼を言ってもらえた。とても嬉しい!みんな、ありがとう!」という気持ちが伝わってくる。ふさふさ君の気持ちをセラピストの皆にも伝える。皆もとても喜んでくれる。
ここまでで、チームとしての一体感が心地よく成立している。それぞれに役割はあるのだが、セラピストやクライアントという垣根を超え、同じ人間としてひとつに繋がったような、分離など幻だったような、大きなどっしりとした安心感に満たされている。心から共に喜び、寄り添ってくれているのがひしひし伝わってくる。無条件の愛ってこんな感じなんだろうか。
最後に、足を撫でてもらう。頭、腰、足と撫でてもらってきたので、全身の不要で重いエネルギーが足の裏からどっと流れ出ていったような、清々しい感覚を味わう。
☆インナーヒーラーとの出会い
自己治癒力を擬人化した存在と潜在意識の中で対面し、アドバイス等をもらうことも出来る。
リード役の誘導に従い、インナーヒーラーに会いに行く。霧が立ち込めている湖のほとりに立つ。白いスワンボードが静かなさざ波に揺れている。そのボートに乗り、湖へ漕ぎだしていく。ここで通常は、対話することが出来るのだが、私はただ、静かに自然の中に一体となって存在しているのを、何も起こらずにただ、そこに在るがままに揺れているのを感じている。このように、体験自体がメッセージとなっていて、その場を感じることが大切なこともある。言葉を失い、目じりをつたい、静かに、涙が流れ落ちて行く。浄化された後の美しい涙である。ただ、そこに在ることの神秘を、深い魂の喜びとして、しみじみと味わう。ああ、そうなんだな。在ること、それ自体が、既に最高の喜びであり、至福だったんだな。これで良かったんだ。そんな思いとなる。在ることの本来の姿は、このように深い深い水の底のように静かなのだ。表面の波立つ部分だけを意識して、右往左往しているのが、自我意識優位で生きる私たち人間の、苦しみや悲しみであり、翻ってみれば、楽しい遊びや学びの冒険とも言えるかもしれないと思った。
☆解催眠
☆感想
ソマティックヒーリングは、ZOOMでしか体験したことがなかったので、このような対面によるライブセッションは、想像以上にダイナミックだった。開放感と浄化力が半端ない。
また、寄り添ってくれたセラピストたちとの一体感も、心地よく、そもそも人間もあらゆる存在も、すべて潜在意識の奥ではひとつに繋がっているということが理屈でなく理解できたように思う。絶対的安心感であり、安らぎであり、穏やかさであり、愛という名の何というか、無限のあたたかさである。
クライアントだけが癒されるわけではなく、実はセラピストも共に癒されていくのである。アシスト役として参加くださった講師の先生も、「共に癒された」と感想をシェアしてくださった。
コメント
コメントを投稿