人生すごろく
☆がん患者を支えるヒプノセラピー
手術翌日のZoomセミナーに参加。私は病室であり、頻繁に看護士が来ることから、ワークは諦め、画面オフで先生の講義だけ聴講するつもりだった。しかし、学校側が配慮してくださり、ワークが中断しても構わないからと、ヒプノセラピストさんが、ワークのお相手を務めてくださった。せめて耳だけでも、催眠誘導を聴いてほしいという思いやりが伝わってきて、ありがたくて涙がこぼれた。
ワークの中に、デスリハーサルというものがあった。催眠状態で未来の自分の死ぬ場面を見てくるというものだ。未来療法に近い。私は、イメージがまったく浮かんで来なかったので、自分の理想の死を想像。シューベルトのアヴェマリアの曲を聴きながら、銀河鉄道に乗って魂の故郷へと帰っていく場面をイメージをして、すっかり穏やかな心持ちになった。ほとんどの参加者が、死を肯定的に捉えていた。シェアをしながら、皆様の表情がスッキリとして、美しかったのが印象的だった。余計なものが落ちて、ただ、純粋な光に戻るからだろう。
ワークのペアをしてくれたHさんは、私が死のイメージが浮かばなかったことについて
「それは、まったく健全よ。だってあなたは手術したばかりで、しかも今病室にいるでしょ。潜在意識は、必要無いものは見せてこないもの。」と言ってくれた。潜在意識は知っている。今の私にはデスリハーサルは必要無いと。だから、安心して潜在意識に委ねればいい。イメージが湧いてこないには、それなりに意味がある。
興味深かったのは、Hさんのシェアだ。Hさんは、何故か、ずっと忘れていた7歳くらいの記憶がよみがえった。詳細は省略するが、彼女は7歳から20歳くらいまで、当たり前にデスリハーサルを繰り返していた。自殺寸前まで行った。そして導かれるように人生を歩み、今は重度障がい者の命を輝かせる仕事をメインにやられている。「今の仕事には、あの経験が必要だったと今なら理解できる。」と。
H さんは波乱万丈な半生だった。かなりの深い闇も経験されている。しかし、人生は不思議なもので、まるで優秀な脚本家でも居るようで、必要なタイミングで必要な人に出会い、必要な学びを経て今に至る。その脚本家とは、結局は自分の魂なのだ。すべて自分で決めてきているのだ。
だから、死は怖いものではない。顕在意識では想像もつかないような、これ以上無い、ベストな死に方を魂は選択するに違いない。私たちは、ただ、委ねてのんびり構えていればいい。素人(自我意識)が下手に脚本に手を加えたら、台無しになってしまう。生きる時は生きるし、死ぬ時は死ぬ。ジタバタせずに、潔く、その時が来たら肉体を脱ぎ、光に戻るのみ。
どんな体験も、後から振り返れば、ベストなことが起きていたことが分かる。そんな気付きをいただいた。
Hさんの愛のエネルギー溢れる催眠誘導で、心身リラックスし、ポカポカに温まった。術後のタイミングで、このセミナーを受講することになったのも、私の魂の脚本のおかげだろう。
☆看護士がヒプノに興味を示す
Zoomで授業を受けている途中で、検温に来た看護士から、「何勉強してるんですか?」と聞かれたので、簡単に、言葉を使って、患者さんの不安を和らげたり、痛みをコントロールしたり出来るのだと、ザックリ説明。彼女は、とても興味を示した。一応学校のことも教えておいた。催眠療法を学ぶ方々の中には、現役看護士も多い。現代医療だけでは救われない患者を目の当たりにしているので、代替医療である催眠療法に答えを見い出そうと熱心に学んでいる。彼らの向上心からは、いつもよい刺激をいただいている。この看護士さんも、催眠の扉を開けてくれたらいいなあと思う。
☆カーテンからの一筋の光
術後二日目の夜中。目が冴えてしまったので、Yさんの誘導瞑想音声を聴きながら、ぼんやりと薄暗い天井を眺めてた。天井に一筋の光が線を描いていて、とても美しかった。カーテンの隙間から、夜空の光が差し込んでいたらしい。
その瞬間、ふと思ったのだ。私は、こんな風に、一筋の光になるために、痛みの体験をしたのではないかと。
いわゆる、光の役割を担われる方々は、過去に難病や障がい、事故など、かなりの痛みを体験されていることが多い。光と闇はセットであり、光を輝かせたいなら、それだけ深く闇を体験することになる。
特に何かの会話をしなくても、そばにいるだけで癒される方は、後から聞いてみると、過去に深い闇を体験されている。
私の魂は、より光を輝かせたかったんだ。闇に差し込む一筋の光になりたかったんだ。
一連の試練を終えて、これからの私の役割を垣間見たような気持ちになった。
☆体が求める音楽の変遷
修復中に体が受け入れる音楽は
川のせせらぎなどの自然音→優しいピアノ曲→チャーチコーラスなど聖歌→オーケストラ
と、変遷した。聴いていられる音楽により、細胞の修復度合いが計れる気がした。
昨日の午後からは、壮大なオーケストラ曲を流せるようになり、部屋の中で元気いっぱいで一人行進したり、指揮の真似をして腕を動かした。丁度回診に来た医師から、「元気だから、いつ退院してもいいよ。」と言われたので、「それなら、明日退院します!」と喜んだ。急転直下の展開に我ながら驚いた。予定から3日も早まった。
Yさんの誘導瞑想、Kさんの愛ある歌声、Hさんとのワークなど、潜在意識に働きかける機会が多かったおかげで、自己治癒力が高まったのだろう。催眠療法+音楽の力を痛感した。
☆薬は飲まなくてよい?
ちなみに、朝から全身に肉襦袢を着せられたような感覚があり、医師に質問。「全身むくんでいるようで、朝からずっと体を動かしているんですが。これって薬の副作用ですか?」
医師は、副作用ではないと思うが、何なら薬を飲まなくていいよ。とすんなり言った。びっくりした。5種類くらいの薬を術後に飲んでいたからだ。「正直言って、必要ないっちゃぁ、無いんですよ。」と医師は笑った。
ううむ。これが現代医療の処方の仕方なのか。なるほど。ならば、体に合わなければ、積極的に医師に相談した方がいい。薬は自然のものではないので、少なくとも肝臓に負担をかけることは間違いない。せっかく備わっている自己治癒力、免疫力を弱めてしまい、もしかしたら、別の病を引き寄せる可能性もある。
☆三角形シンクロ
入院している病院の建物は三角形をしている。真ん中が吹き抜けなので、採光を重視した設計なのだろう。病院の見取図をぼんやり眺めていて、ふと、シンクロに気がついた。
入院前に受けた誘導瞑想「ハートの聖なる空間」を思い出していた。天なる父、母なる地球、子(私)が三位一体となり三角形を作るイメージと繋がった。この病院自体が三位一体になっていた。すごい!
夕方の閑散とした病院の中をゆっくり歩きながら、病院の集合意識にお礼を伝えた。大きな愛の魂を感じた。涙があふれた。
私たちは、間違いなく、大いなる愛のエネルギーに守られ、生かされている。それを実感した。ただ、感謝しかなかった。
催眠が広まれば、病気が減るかもしれないと思った。その役割を担いたいと心底思った。
☆女性はリハビリに強い
術後、看護士から、歩行訓練を楽しめるように、次のシートを渡された。
病棟を一周すると次のコマに進める。楽しくて、病棟をぐるぐる何周もしたから、術後二日目にはゴールしてしまった。
看護士さんから、「やっぱり、女性はリハビリに強いのよね。男性はダメよ。なかなかやらないのよ。」とこぼしていた。
確かに、病棟をぐるぐるしていた時に、病室の男性患者と看護士のやり取りが耳に入ってきた。
「俺はもう、無理なんだよ。無理!」
「そう。無理なら、リハビリしないとね。」
看護士は、怯まず、どっしりと対応していて感心した。これは、母性愛だなと感じた。
「痛いね、そう、無理だと感じているのね。かわいそうにね。やらなくていいわよ。私が全部やってあげますからね。」と患者は言われたいのかもしれないが、それは見せかけの愛でしかない。本質の愛は、余計なことをして患者の生きる力を奪うようなことはしない。可愛い子には旅をさせろ。である。大切な体験を奪ってはならないのだ。
私はセラピストとして、医療現場をよく知るために、2020年から四回も入院させられたようにも思う。
歩行訓練中に見た現場は、生々しかった。絶え間なくナースコールが鳴り、看護士は部屋から部屋へ走り回る。看護士の献身に、無条件の愛をも感じた。時に優しく、時に厳しく、凛として一瞬一瞬に臨んでいる。彼女らは、とても若いが、魂年齢は私より遥かに高いだろう。地球のために、天使たちが大挙して転生してきて、私たちに愛を届けてくれているのかもしれない。私たち世代の方が、もっと精神性を高め、彼らの姿から学ばないとならない。
☆肉体の苦痛とどう向き合うのか
個室には、寝たきりの高齢者が多かった。歩行訓練をしていると、ある部屋から、苦しげな呻き声が聞こえてきた。このような現場で、催眠療法に何が出来るのだろうか。そんなことを考えた。今は、部屋の外から、ただ、祈ることしかできない。この患者にとって、ベストなことが起こりますようにと。
☆個室代の奇跡
今回の入院は、セミナーを受けることもあり、個室を希望していた。しかし、個室が満室だったため、空きが出るまで、重症患者専用の個室を仮に使わせてもらっていた。なので、個室なのに、部屋代が無料になった。こんな奇跡あるだろうか。6日間で10万円支出せずに済んだ。これは、宇宙からのプレゼントに違いない。この入院は、確かに魂のミッションだったのだ。浮いたお金は、催眠療法セミナー代に有り難く使わせてもらおう。宇宙から「応援しているから、学び続けなさい。」とエールをいただいたような熱い気持ちになった。お金はエネルギーだと言うが本当だ。必要なものは入ってくるし、必要なことがあれば出ていく。ちゃんと健全に循環するものなのだ。愛と感謝をのせて出せば、愛と感謝は、より大きくなり帰ってくる。私からまた、大きなエネルギーを出して、また帰ってきて····。どんどん感謝が溢れてくる。これが本来のお金の役割だ。
☆カルマはガイダンス
(アキコスピリチュアルさんのYouTubeより)
私たちはその体験を選択して生まれてきた。
そのカルマ(ガイダンス)から学ぶためだ。
病はカルマの噴出とも言われるが、その人がその課題に取り組む力があるという意味。
その人にはそれを受け止める力があるのだと信頼することが大切。
カルマは覚醒への道
カルマに取り組むことで、学びを深め、輪廻から卒業できるかもしれない。
自我が本質ではない。魂に本質がある。病であれ、どんな試練であれ、私たちはこれをやりに来た。という視点になってみる。
☆セラピストの眼差しとは
変化していくことを楽しむ
軽やかに朗らかに進んでいく
自分の直感を信じる。外側の承認を得られたものだけに頼らない。本質につながる自分を信じる。この点で催眠は役立つ。
本当の愛は、その人が出来ることを取り上げることではない。その体験を尊重し見守ることも大切。励ましたり、アドバイスしたり、愛を持って寄り添うことは出来る。その人は必ず乗り越える力がある。だから、その出来事が起きている。
がん患者を支えるヒプノセラピーを実践する際に必要な眼差しを再確認した。
☆明け方のビジョン
明け方の浅い夢に雷鳥の姿が出てきた。
全身が純白で雪の色。冬毛だろうか
宇宙の流れに委ね切った表情に見入った。
本来は霊鳥であり、古来から神聖な神の鳥とされていた。
荒天に出てくることから雷鳥と呼ばれるようになったとか。
さて、このビジョンは、私にどんなメッセージを伝えてきたのだろうか。
本日、退院します。
応援してくださいました皆様、たくさんの愛を送ってくださいまして、本当にありがとうございました!
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