宇宙船交信用アンテナ?

 今日は、呼吸器外科の診察日

先日、胸骨の奥に何やら影が写っているということで、乳腺外科から紹介されてやって来た。

胸骨奥に臓器は存在しないとのこと。2センチほどの影。

私は、密かに、宇宙船交信用アンテナが埋め込まれているのではないかと推測したのだった。

診察前に、待ち合い室で瞑想しながら、待つ。緊張しているせいか、微熱が出ている。少し怠い。背骨を真っ直ぐにして、丹田に力を入れる。自分のセンターを意識する。

大丈夫。恐怖や不安は無い。落ち着いている。隣に夫も居るし、心強い。

ただし、もし、宇宙船交信用アンテナが機能しているなら、私の胸の内を聞いてほしい。

「そろそろ、そちらに帰してくれ。周りを納得させるため、病を利用するなら、どうぞそうしてくれ。でも、苦しいのや痛いのは、ごめんだからね。地球地上クルーは、もう卒業して、母船に一旦帰らせてくれ。」

二年前に、先に帰星した友人○○さんにも、声をかける。「今、そっちでどうしてる?そちらでもあなたは地球担当だそうですね。そっちからは地球はどう見える?私もそろそろ合流できるのかな。」

宇宙船交信用アンテナなら、きっと返信があるに違いない。「応答待ってるぞ。」

さて、いよいよ診察開始。

初対面の△医師は、若くて、柔軟そうな男性。丁寧に説明してくださる。

「あなたの、胸の影は、何と!宇宙船交信用アンテナでしたよ!なかなか珍しい事例でしてね·······」

とはならなかった。(笑)

胸腺腫という病気で、癌ではないけど悪性なので手術するとか。取れば大丈夫だが、再発もあるので10年様子を見ていく。まだ小さいので、胸に3ヵ所小さな穴を開けて肋骨の間に器具を入れて取るとか。もっと大きくなったら、取れなくなったかもしれないので、小さいうちに判明して良かったとか。手術は二時間くらいで入院も一週間程度。傷口は小さいので一週間で塞がる。肋間神経痛みたいな後遺症が年単位で残るかもだが、仕事してるなら、かえって治りは早いと。

△医師は、手術が好きなようで、説明する時に、ワクワク感が伝わってきた。あ~、この先生は、本当にこの仕事が好きなんだなあと感じた。こういうのを天職と言うんだろうな。

乳ガンの手術後1ヶ月したら、胸腺の手術をすることになったが、△医師の、のほほ~んとした人柄に乗せられて、エネルギー軽く診察時間を過ごすことが出来た。

診察が終わり、待ち合い室に戻り、開口一番私が心から発したのは

「また、命救われた。私、また助かった!」という感謝の言葉だった。

「何てラッキーなんだろう。私、神様にメチャクチャ愛されてる····」涙があふれそうだった。

胸腺腫は、自覚症状が無いため、まず初期段階では発見されない。健康診断でもレントゲンに映らない。今回、たまたま造影剤を使って検査をしたから、奇跡的に拾えたわけだ。このまま放っておけば、腫瘍は成長し、播種になった場合は命に関わることもあるそうだ。

今回、乳ガンになったからこそ発見につながったのだ。私は乳ガンに助けられたのだ。

ちなみに、胸腺は免疫を司る部位らしい。年を取ると機能しなくなり、小さくなっていくらしい。20歳がピークだとか。

そうか、今まで免疫を働かせるために、いっぱい働いてくれていたんだ。私の命を、自分を犠牲にしてまで守り続けてくれていたんだ。肉体からどれだけ愛されていたかも伝わってきて、呆然としてしまった。

私、守られていたんだ。生かされていたんだ。こんなにも愛されていた。54年間ずっと····。どんな瞬間も変わらずに。

何だか目が覚めたような衝撃だった。

そして、宇宙船交信用アンテナではなかったのだが、応答を受け取ったような気がした。

母船「まだまだ、地上での大切な任務がある。今回、肉体をきっちりメンテナンスするから、地球担当を引き続きがんばるように。」と。

どうやら私は長生きするらしい。


☆病は宇宙の声という気づき

この投稿をした翌日、さらに感じたことを書いておく。

同行二人

これは、四国八十八ケ所を巡る際に、弘法大師が共に歩いてくださることの意味だが、

私という意識が宿るこの肉体を思う時も、同行二人と表現したくなる。

母親の胎内へ転生した瞬間から、今に至るまで、肉体は私と共にあった。共に成長してきた。

悩んだり苦しんだりした時も、孤独で涙した時も

片時も私から離れずに、心臓を動かし、呼吸をし、血液を巡らせ、私をあたためてくれた。掛け替えの無い存在。

どんなに絶望した瞬間も、私は独りではなかった。共に居てくれて、私を生かそうと頑張ってくれていた最高の相棒。

一番身近にいて、私を深く愛してくれていた存在を、なぜ忘れていたのか。

私の身体。すべての細胞、臓器、腺、まるでひとつの宇宙のように、様々な部位が連携し、調和し働く壮大な仕組み。

なんて大きな愛の働きなんだろう。

私が今、生きている。これが何よりの証拠だ。

今、呼吸が出来ていること。それがどれほどの奇跡なのか。私たちは実感しているだろうか。

分かっているようで、まったく分かっていなかった。

私は、何度も大きな病を経験しないと、この気づきに到達できなかった。

当たり前こそが、一番私を生かしてくれていたこと。

肉体もそうだが

地球の水、空気、土、植物、動物、微生物·····

普段意識しない存在たちこそ、ひとつでも欠けたら、私は生きていなかった。

それなのに、私たちはマザーアースの愛を踏みにじるようなことばかりしてきたのではないだろうか。大地を汚したり破壊したり。マザーアースが、身震いひとつするだけで、人間を絶滅させることは容易いのに。彼女はギリギリまで耐えてくれていた。今度こそ!我が子よ、目覚めてくれ!と祈りながら。

それは、自分の肉体を酷使し痛めつけてきたことにもつながる。ここに相関関係、フラクタルを見るようにも思う。

私という意識は、肉体や心を責めることばかりしてきたように思う。こんなに愛されていたのに。感謝こそすれ、責めたり追いつめたりする権利など無いのにだ。これが、いわゆるエゴの仕組みなんだろうか。自滅するプログラムなんだろうか。「我」を外側から眺める視点をようやく得たようだ。

盲目的に反応的に生きて、自ら土台を崩している私たちを救うのは、身体の声である。それは神の声でもあり、宇宙の声でもある。

この世界は、感謝しかないという真理。

生かし生かされる、すべての繋がりに

心からのありがとうを伝えながら、

今 呼吸していこう。

呼吸そのものが、感謝の息吹となるように。

このことは、今まで、何度もいろんな本を読んで、学んでいたはずだった。

それでも、心底理解していなかった。

実際に体験を通し、感覚と感情を働かせなければ、つまり、魂をふるわせなければ

真の気づきには至らないのだと痛感した。

だから、魂は何度となく転生し、ありとあらゆるリアル体験を欲するのだろう。

究極的安心穏やかな、至福空間に漂う意識エネルギーが、わざわざ波動を落とし、物質化している意味が、よく分かった。

「知る」ために、私たちは今ここに居る。


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