正直に伝えるためのメタファー

 メタファーとは、隠喩(暗喩)のことである。物事を説明する時、物語で伝えることで、より伝わりやすくなる。エリクソン催眠の手法だが、まだ正式に習ったことはない。私はストーリーを想像するのはとても好きなので、いつかエリクソンも学んでみたい。今は、伝統催眠だけでも精一杯なので、順番に焦らずに。

さて、昨日、とある方と5時間雑談する機会があった。仮にAさんとする。

Aさんは、とても純粋で正直な方だ。時には誤解されることもあるようだが、Aさんの指摘することは、相手を刺激することにつながり、相乗効果に発展することも多いようだ。きっと本質を突いているのだろう。

日常、私たちは、本音を隠して生きている。「ああ、嫌だなあ~。」と思っても、きっとこれを伝えたら相手は不快な思いをするだろうな。と思うと、まあ、いいやとなってしまう。自分が我慢できないくらいになった時は、相手を傷つけないよう最大限配慮し、言葉を選びながら伝える。反対に、家族間では、気心が知れている安心感もあり、感情をそのままぶつけてしまい、後で大反省ということもある。(一昨日の私だ・・・)

Aさんは、二か月前に、私のセッションに初めて来てくださった。初の有料セッションだったこともあり、私はかなり緊張していたとは思う。お金をいただくのだから、満足させなきゃ。何か成果を持って帰らせたい。そんな思いでガチガチになっていたと思う。気負いすぎていた。

Aさんも、催眠初体験であり、とても緊張されていたと思う。私はきっと、緊張をほぐさないとと、あれこれ細かな気配りをしたかもしれない。主に、相手を気遣うような言葉がけを心がけていた。「すみません」「申し訳ありません」という言葉を連発していたかもしれない。過剰に気遣いすぎて、びくびくしていたのだろうと思う。

相手が負担に思うなら、本当の思いやりではない。そんな気遣いはエゴでしかない。主に自分を守るための防御策だ。だから相手はその重いエネルギーを感じて、居心地悪くなるのだ。目に見えないが、エネルギーは嘘をつけない。本当に相手を思うなら、きっと違う対応になっただろう。今思うと、何と未熟だったのだろうと思う。

Aさんは、今回、二か月ぶりに、またセッションを受けに我が家へ足を運んでくださった。とても嬉しかった。挽回したいなと思って、いろいろ手法を考えてお待ちしていた。

Aさんは、正直な人だと冒頭に書いたが、初回、どんな感想を抱いていたかを私にしっかり伝えるために、来てくださったことが分かった。さすがに初対面では失礼だと思い、言葉に出来なかったそうだ。

沢山のアドバイスをいただき、本当にありがたかった。ここに全ては書かないが、セラピストとして大切なことを言われたので少しメモしておく。

〇気を使いすぎる。気を使われているのが分かるので、自分の気持ちが重くなる。もっと楽にしていい。

〇「申し訳ない」と言わないでほしい。もう来れなくなる。自分も期待を手放した。自然な流れの中で起こることを楽しみたい。

〇誘導の声をもっとニュートラルにしてほしい。感情を込めたり抑揚をつけると、自分が潜在意識を味わう時に邪魔になる。ナレーションみたいな感じでやってみてはどうか。また、美しい声を出そうとしないでほしい。普通の話す時のような声でお願いしたい。トーンは、三段階あるとするなら真ん中くらいで。

〇誘導中、セラピストが感情(喜びなど)を出すと、自分は、「もっと期待に応えなきゃ」という気持ちになってしまう。この人を喜ばせなきゃと。私が何かイメージを見たからといって、喜んだり、感情を出さないでほしい。

〇私が何を感じているか声に出すまで、セラピストは黙って待っている。その沈黙の時間がプレッシャーになる。待たないでほしい。しばらくしたら次に進んでほしい。また、見つめられると圧を感じる。放っておいてくれるぐらいがいい。感じたことを言葉に出さない方が気が楽。

〇催眠は慣れていないので、あまり詰め込まれるといっぱいいっぱいになってしまう。初心者向きの軽いものから体験したい。

一つひとつ、セラピストとしては致命的であり、Aさんは、意識されていないだろうが、しっかり基本的なところを押さえて伝えてくださっていた。とても勘がいい方なんだなと驚いた。私は、良かれと思い、どんどん自己流に走っていたようだ。ああ、ここで気が付けて本当に良かった。誰のためのセラピーなのか、初心に戻ることができた。

そして、このことを私に伝えることは、とても勇気が必要だったろうと思う。しかし、Aさんは、自分だけでなく、私の事も考え、互いにウィンウィンな関係でいたいと言ってくれた。これを伝えることで、私の今後に何か役に立てるのではないかとの思いで、(催眠のことももう少し知ってみたいという思いもありつつ)交通費をかけてきてくださったのだ。有難くて頭を垂れるしかなかった。

「クライアントさんに育てられる」とはまさにその通りで、クライアントさんは最高の教師でもある。だから、信頼関係をしっかり築き、何でも正直に伝えてもらえる関係をつくれたら、こんなにありがたいことはない。

もちろん、Aさんのアドバイスが、クライアント全員に当てはまるわけではない。それぞれに好みがある。私は、今後出会うであろう様々なタイプのクライアントに、即座にベストな対応が選択できるよう、引き出しを増やしている段階である。人の数だけ個性がある。学びがいがある世界だ。面白いな~と思う。きっと飽きないだろう。

そして、「申し訳ない」は不要だと、きっぱり言ってもらえたことは心強かった。もちろん毎回反省し、次に活かしていくこと、学びを継続していく姿勢は必要だが、必要以上に自分を責めて落ち込むことはない。経験値が明らかに足りないのだから、最初からベテランのように出来るはずもないのだ。その時その時の自分のベストを尽くし、クライアントの潜在意識を100%信じることだ。このように、クライアントさんから学ばせてもらいながら、成長していく。50歳過ぎてからも成長できる学びがあるなんて、心から幸せだと思った。

Aさんと出会えて本当に良かった。そして、正直になるって、大切なことでもあるな~と改めて思った。

感情的に伝えるのではなく、例えばIメッセージで、「私は〇〇されて悲しかった。」「〇〇されると私は嬉しい」などといいう言い方をすれば、それは事実を伝えることなので、相手を傷つける事は無い。相手も「そうなんだね。あなたはそう感じたんだね。」と冷静に受け止められる。それを聞いて、行動を変化させるかどうかは相手次第だから、相手を変えようとしてはならないけど、本音を伝え合えるって、素敵な関係だなと思う。

正直に伝え合えるとどうなるかな?と思っていたら、ふとメタファーが思い浮かんだ。それをここに書いておく。


愛しあう、カップルがいました。彼女は、ブロードウェイミュージカルのスターです。彼氏は、日本の伝統、能の舞をやっています。

喜びを表現するとき、彼女は職業柄か?「楽しい!」とハッキリ言葉にし、満面笑顔になります。彼氏は、職業柄か、表現が全く違います。能面のように、無表情ですが、指を数センチ動かし、足を数センチ前に出して、微妙な動きで喜びを表します。

それぞれに、慣れ親しんできた感情表現なので、互いに、理解できない時もありました。

ある日、彼氏は彼女に言いました。

「君が、大きな身振りで感情を表現すると、僕はドキッとしてしまうんだ。時々落ち着かない。もしよければ、表情を変えないで、指の動きだけで、感情を伝えてもらえないだろうか。その方が僕は慣れているし落ち着くんだ。」

彼女は、一生懸命、彼の気持ちに応えようとしました。彼を心底愛していたからです。彼の感情表現を自分も真似しようと頑張りました。でも、彼女は、思い切り、泣いたり笑ったり、表現することも大好きでしたから、何となく辛くもなりました。

そこで、二人は話し合いました。お互いに、ミュージカルや能の歴史、背景、表現方法など、学び合いました。全然文化は違うけれど、優劣は無いと覚りました。それぞれの良さがあったのです。彼女は、悲しみの表現を今までは、涙を流し、セリフで表現してきましたが、ある日の舞台で、観客に背中を向け、肩の微かな動きだけで深い悲しみを表現しました。観客は、感動の涙を静かに流しました。彼女は表現の幅がひろがっていました。

価値観や文化の違いを超え、互いに尊敬し合いながら、受け入れていったからこそ、新しい可能性を見いだせたのです。

さて、彼氏は能の舞台でどんな表現に昇華させたのでしょうか?能が苦手な若者達に、少し理解しやすいように、おどけた仕草を大きな動きで表現する演目を追加し、フアン層の幅が広がったとか。

違いは、化学反応。予想もしない新しい世界に連れて行ってくれます。

似た者同士も、きっと穏やかでいいけれど、こんなカップルも、素敵ですね。


☆嘘が通用しない世界になるとは?

風の時代に入り、地球の波動がどんどん上昇しているそうだ。それに伴い、今までのように嘘が通用しなくなってきたと言われる。嘘はどんどん暴かれ、明るみに出されていくとか。どういう事かな~?と思ってはいたが、出来るだけ嘘はつかないようにしていた。黙っているということはあったけど。

今回のAさんとの体験で、学んだことは、自分が発するエネルギーは嘘をつけないということだった。みんなの波動が上がってきているので、エネルギーに敏感になっている。口では綺麗なことを言っていても、心の中は正反対であれば、相手は何かしら勘付くのだ。「何んだか違う気がする。怪しい。気持ちが重くなる。」などの反応で、エネルギーを読むのである。

だから、感じたことは正直に伝え合うというのは、これからの風の時代には必須になるかもしれない。相手を否定するためではなく、理解するために対話するのだ。オープンダイアローグの手法など、当たり前に活用できれば、喧嘩になる事も少ないだろう。ただ、言葉がトリガーとなり、相手のトラウマを刺激してしまうこともあるだろうが、それも、潜在意識についての知識が広まっていれば、過剰に相手を拒絶することも少なくなるだろう。感情の自動操縦ではなく、感情を冷静に観察することが出来れば、浄化方法はいくらでもある。催眠療法も一つの手段だ。風の時代とは、なかなか面白い。こうやってどんどん純粋性を取り戻していくと、いったいどんな世界が待っているのだろうか?予想できないところがまた楽しい。

☆Aさん効果

私が、反対にAさんと話すことで、浄化されたようだ。セラピストとクライアントの関係は不思議だ。助けようと思っていても、実は助けられていたりする。相手を大切にすることは自分を大切にすることにつながると言うが、きっと、ワンネスの片鱗を見せられたのだろう。元々は一つの意識体であり、体験するために意識を無数に分散している。だから、私の体験は、皆の体験でもあり、あなたも私である。と言う感覚。少し、分かったような気がする。

一昨日、夫に怒鳴ってしまったのだが、なかなか謝れなかった。昨夜、不思議と素直な気持ちになり、夫に謝った。「ちょっとナイーブになっていたの。怖くなっちゃったみたい。大きな声を出してしまって、ごめんなさい。」と言葉に出して謝った。

夫は力なく「ん~~。」と答えた。

ああ、たくさん傷つけてしまったんだな。と思う。大切な人なのにね。人間って複雑な生き物だ。夫も私のネガティブエネルギーを引き受けてくれて、きっと浄化してくれていたんだろうと思う。こうやって、私は、まわりに生かされているのだ。

ありがとうしかないんだな。この地球体験は、本当に、凄いな。学びばかりだ。

☆さりげなく追記

そして、本日、病院へ。

検査結果を聞いてきた。

この1ヶ月、もしかしたら、タイムラインを変えられるのではないかと、様々な取り組みをしてきたが。

結果、手術することになった。

結果を聞いた後、病院を出て、駐車場に向かって歩きながら、少しだけ泣いた。左胸に「守れなくて、ごめんなさい。」と謝った。

左胸は、「それで、いいんだよ。」と優しく答えてくれた。

どうやら、魂の決めたシナリオによると、どうしても、私はこの体験を味わう必要性があるらしいのだ。魂は、この過程から、何かを学びたいのだ。魂がやりたいのなら、やらせてあげるしかない。遠回りしても、結局はここに戻される。

ふと、トリシアさんのシャドーワークセミナーで、学んだことを連想した。

究極の闇を体験しないと、究極の光を見ることは無いと。これが、二極から学ぶ地球の仕組みでもある。ちょっとの闇なら、ちょっとの光しか知ることは無い。病は闇とは思わない。ギフトだと思う。陰陽と捉えられるかもしれない。二元を対比させながら学ぶカリキュラムなのだとすれば、私はこの体験を通し、一気に道程を駆け抜けるのだろう。

思う存分体験したいだけ、やってくれ。私は、この流れについていくだけだ。

ただ、今夜だけ、ちょっと、沈んでいたいかな。今夜だけね。

受け取ったメッセージ

「人生の脚本を生きている。」




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