ヘミシンク~トカゲ仙人

 ヘミシンク練習。フォーカス12。トラック4-2まで来た。

この回は、ナレーションは「好きなように探究せよ。」とのこと。

フォーカス12では、宇宙エネルギーを取り込んだり、自分に必要なメッセージをもらえたり、意識拡大を実感したり、今までいろいろやってきたのだが、「好きなように」と言われると、戸惑ってしまう。

「さあ、どうぞ!」と声掛けされ、ナレーションは去っていってしまったので、私は何も無い真っ白な空間に独り取り残される。何も見えないし、聞こえないし、感じない。

ああ、そうか。想念の世界だから、何か意図しないと何も始まらないんだな。

とりあえず、私のガイドに来てもらう意図をしてみる。

「私に分かるような色、形、またはエネルギーで、現れてください。」と心の中でお願いする。やがて、ぼやぼや~っと、何かが視え始める。

植樹されたばかりのような、細い若木の枝に、茶色いトカゲがとまっている。枝も茶なので、擬態しているかのよう。トカゲは、目をつぶっている。表情を見て、まるで仙人のようだなと印象を受ける。これ以降、トカゲ仙人と呼ばせていただく。

「あなたが、私のガイドですか?今日、私はここフォーカス12で何を取り組んだらいいですかね?」質問してみるが、トカゲ仙人は、静かに目をつぶったまま反応が無い。

困ったな~。何かやりたいんだけどな~。

苦肉の策で、催眠療法で習った意識交代の手法で、意識をトカゲ仙人の中に入れ、何を考えているのかを探ってみることとする。

自分で自分に1,2,3,とカウントをかける。す~っと意識が相手の中に入り、トカゲからの目線になる。目の前に私の姿があり、オロオロしている様子が分かる。

「何かを得たい。学びたいという気持ちが大きすぎて、大切なことを見落としていやしないかな?こうやって、ただ、ありのままを感じる。やってごらん。」

あ~。そういうことか。分かった。意識を自分に戻し、トカゲ仙人と若木の傍で、寝っ転がることにする。上空に雲が流れている。ぼんやり眺める。

「おまえは、雲の流れを見て、これにはどんな意味があるのだろう。どんな叡智を得るべきだろう。何を気づけばよいのだろうと、また思っていやしないかな?」

あ~。はい。そう言えば。

「雲はただ、流れる。それだけのこと。雲が流れている。純粋にそのことだけを感じてごらん。流れている。その動きそのものを感じて味わってごらん。」

その通りにしてみる。この真っ白い何も無い空間で、若木とトカゲ仙人の傍で、寝っ転がって、空の雲の流れをただただ見ている私。そう言えば、こんな風に純粋に物事を見つめたことってあまり無いかもしれない。現象に必要以上に意味を見出そうとしたり、過去や未来に思いが彷徨ったりしていた。

とても静かな心持になってくる。透明になるような感覚。

まあ、それでも、次に何かやりたくなったので、トカゲ仙人の目を盗んで(と言うか、そもそもトカゲ仙人は目をつぶっているのだが)

次に、若木に意識交代を試みた。

ああ、これは梅の木だったんだ。トカゲ仙人がしがみついている細い枝に意識を移動させてみる。トカゲの手足や胴体が触れている部分がくすぐったい。梅の木のハートの部分がふわっと感じられる。嬉しいと感じている。若木は、こんなハツラツとした気持ちで、他の生命体を慈しんでもいるのだなあと、ちょっと感動した。梅の花が開花する瞬間を若木は夢に見ている。ポンッと膨れ上がった喜びがスパークする感じ。そう、花火みたいだ。命の営みは、純粋な喜びなのだ。

そこに、白い蝶々がひらひら飛んできて、若木やトカゲ仙人の周りを飛び回り始める。

「蝶々さん、これからどこに行くの?」と声をかけてみたところ

「私は夜に向かって飛んで行くのよ。」と答えが返ってきた。意味はよく分からなかったが

ふと、「胡蝶の夢」を連想した。

ナレーションの声が、フォーカス10へ戻るよう促してくる。

トカゲ仙人は相変わらず目をつぶったままで表情も無いが、感謝の気持ちを伝え、若木にも手を振ってお別れした。

トカゲ仙人から、示唆をいただいたことはあまりに深く、まだうまく言葉にまとめられないが、

今、何か言葉を残しておくとするなら、目の前に何か出来事が起きたとしても、そこに意味付けをして感情を選択しているのは自分自身であるということ。物事は、ただそのように在り、意味など無い。ただ、それを観察する自分が居る。

目の前の出来事をありのまま眺めていると、やがて自分が消えていく。自分はそもそも幻であったことに気づく自分すら、もう存在しない。私たちは、胡蝶の見ている夢のようで・・・・。

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