年齢退行催眠~思春期編

 現在、イーハトーヴヒプノセラピーカレッジ退行催眠セミナー後半の部をZoom受講させていただいている。年齢退行催眠をクライアント役として生まれて初めて体験した。興味がある方は、ぜひ、読んでほしい。どんな風に進められるのか参考になればと思う。

◇セッションテーマ

母(私が14歳の時に父が再婚)に優しくできない。原因を探りたい。もし過去の私が、母に対し怒っているなら、その感情を味わい、解放したい。

◇子どもの頃の楽しい思い出シーンへ誘導

3歳 パンダのぬいぐるみと遊んでいる。「パパが買ってくれたから、嬉しい。」と言う。

◇テーマに関係する感情を初めて感じたシーンへ誘導

15歳 、自分の部屋。机の前に立っている。机上には日記帳。「お母さんが、私の日記帳を読んだの。読まないって言ってたのに、嘘ついた。日記に書いてあることで怒られた。日記には、誰にも言えないことを正直に書いてある。それなのに、怒られるなんて、ひどい。」

悔し涙を流す。

母に、意識交代

「○○ちゃんの考えていることがわからないから、日記帳を読みました。○○ちゃんは怒っているから、負けるわけにいかない。甘い顔をすると負けてしまう。きちんと躾るためには負けるわけにいかない。」

母の意識を感じる。

「ずっと一人暮しで、自由にやってきたのに、結婚したら、よき妻、よき母にならなくてはならず、好きな仕事(洋裁の先生)も続けられなくなった。自分が消えていくような気がする。」

私に意識交代

「学校に行く前に、お母さんと大喧嘩になった。お母さんは鬼みたいな顔で叩いてくる。私は、そんな母を抱きしめようとした。母はそれを拒絶した。それが悲しかった。」

ボロボロ泣く私。

セラピストは何度か意識交代し、私の言葉を母に伝えてくれだが、母は、頑として「負けるわけにいかない。」の一点張り。埒が明かない。

セラピスト「○○ちゃん、どうしたい?」

私「私と同じ年齢のお母さんとなら、友達になって、仲良くなれるかもしれない。」

セラピストが、15歳のお母さんKちゃんを連れてくる。

Kちゃんは、面倒見よくて、しっかりしていて、私にお裁縫を教えてくれる。しばらく二人仲良くお裁縫をして楽しむ。

「15歳のK ちゃんなら、仲良くできる。好き。」と私が言う。

Kちゃんの意識を感じる。

「お父さんお母さんに受け入れられなくて、叔母さんのところに住んでるの。お裁縫を勉強して、先生になり、早く独り立ちしたい。○○ちゃんと一緒にお裁縫していると楽しい。」

15歳の私に意識交代

「Kちゃんを抱きしめたい。」

Kちゃんを抱きしめる。Kちゃんの寂しさを癒す。

「お母さんを抱きしめたい。」

大人のお母さんを抱きしめる。

怒っている母は大きく感じたけど、抱きしめると、細くて儚い感じ。去勢張って緊張して生きているんだなあと分かる。

母に意識交代

「誰かに抱きしめられたことが無いから、戸惑っています。」

15歳の○○ちゃんの横に大人の私がやってくる。二人で話をする。

私「時間が必要だよ。」

○○ちゃん「お母さんと仲良くしてね。私、応援しているから。」

○○ちゃんの希望で、二人でお裁縫をして、楽しむ。

私「お母さんに、お裁縫を習いたかったな。」

セラピストから質問

「どんな気持ち?」

私「お母さんは、両親との関係があまりよくなくて、寂しさを抱えながら、お裁縫を一生懸命勉強して、先生になった。お母さんには、好きなこと続けて欲しかった。でも、父が反対したから、母はやりたいことあきらめた。自分が自分でなくなるようで苦しかったから、いつも何かに怒ってたんだ。お母さんは、よい妻や母親になろうと必死で、お母さんなりに頑張って幸せになろうとしてたんだなあ。そして、私は、そんなに母に対し怒っていたわけではなかった。ただ、抱きしめたかったんだ。心を開いて仲良くしたかったんだ。母のことは、時間かけて、見守っていくしかないと思う。」

◇胎児期退行

実母のお腹の中の自分を感じる。お腹をポンポンたたいて、ニコニコしている父母。安心した気持ちと、側に光を感じる。ここで、無条件の愛を思い出す。

◇高次元存在に会う

観音様に来ていただく。母とどうしたら仲良くなれるか質問。「慈愛。」と一言いただく。

◇事後面談での気付き

悪者は誰もいない。

15歳の私もKちゃんも、めちゃくちゃいい子だった。15歳の私から励まされ、エネルギーをいただいた。

母を一人の女性として見ると、健気に必死に生きてきた姿を客観的に見ることになり、好きだなあと素直に感じた。尊敬できる素敵な女性だ。同年代の友人同士なら、親友になれたかもしれない。

母だと思うと、どうしても関係が近すぎて、母の姿をきちんと見てあげられなかった。

観音様にアドバイスされたように、慈愛の心を持って、時間をかけて、母の心を少しずつ癒していけたらと思う。

追記

一晩明けて、さらなる気付きがあった。

今世。母と出会わされた意味。

慈愛、または、無条件の愛(受容)を学ぶために、私が本質を思い出すことが出来るよう、母がその役割を担ってくれていた。これが、魂と魂との約束。

例え話

傷ついた保護犬を引き取ったとしよう。その子は、虐待され、心身ボロボロに傷ついている。我が家の安全な場所に連れてきて、ご飯をあげたり、優しく声をかけたり、撫でたりしたいと思う。しかし、その子はなかなか心を開けない。隅っこに縮こまり、震えていたり、反応しなかったり、もしかしたら絶えず吠えたり、噛みついてきたりする。

今までのわたしは、その子がご飯を食べてくれなければガッカリしたり、吠えられたら怖がり、噛みついてきたら腹を立てたり。都度、反応して、自分の痛み悲しみにフォーカスして、感情を選択してきた。思うようにならない保護犬に右往左往。感情を揺らし続けて、エネルギー切れを起こす。自分の精神を休養させるために、一定期間、その子から離れて生活することを繰り返してきた。こんな接し方で、この子は救われるか?この子が求めているのは、ご飯や安全な家だけではない。ありのままの受容だ。

「痛いよ。苦しいよ。悲しいよ。寂しいよ。誰か助けて!助けて!」その子の魂は叫び続けている。しかし、その魂の痛みを癒して受容しない限り、その子は問題行動を止めることはない。

もし、私が、その子の痛みに寄り添い、「痛かったね。悲しかったね。よく頑張ったね。」と声をかけ、その気持ちに共感し、どんな問題行動を起こしても変わらぬ穏やかな心で接し続けたら。言葉や眼差しや、仕草に、愛を込めて、その子のありのままを受け入れていったならば、いつかは心を開き、抱っこできるようになるかもしれない。

そんな時、私の心の中は、どんな状態か。

奥深くから泉のように、慈愛と言われるようなすべてを包み込むエネルギーが湧き出していないだろうか。

このエネルギーは、本質の自分とつながると、湧き出してくる。私たちの本質は、愛、信頼、勇気、正直さ、慈愛そのものであり、既にここにある。普段、自我に邪魔されて忘れているだけで、本質は永遠に変わらない。

母との確執の全てが、私の本質への旅の道標であった。この辛い経験が無ければ、私は潜在意識の勉強をすることも、本質を求めることもなかった。

どんな経験も、Yes と言える。

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