インナーチャイルド講座

 本日、ホリスティックナースSさんが講師の、インナーチャイルド講座を受講した。

Sさんは、私が学ぶ催眠療法の学校の先輩である。看護士としても、ヒプノセラピストとしても、プロとして大、大活躍されており、日頃から素敵な影響をいただいている。

私も、退行催眠療法でクライアントの幼少期にアプローチすることがあるのだが、ここ最近は、心理学的にしっかり学ぶ必要を感じていた。

潜在意識に繋がれば、クライアントは自らベストな答えを見出し、自力で解決していくものであり、セラピストはクライアントの力を信じて、寄り添うのみ。と学校で学んではいるのだが、それはかなり経験を積んでからのことになると思う。

初心者のうちは、声がけひとつで、クライアントの気付き度合いを左右してしまうので、さまざまな知識を身につけておくことは、とても大切だと痛感している。

Sさんは、ご自身で学ばれた心理学の知識を惜しげもなく受講者に説明してくださった。理解しやすくコンパクトにまとめてくださっていたので、頭にスイスイ入ってきた。インナーチャイルドは、大まかに5種類に分類できるという視点は、私には新しく、ワクワク、ドキドキ拝聴した。

ここに、講座内容を紹介することは出来ないので、所感を記録しておく。

インナーチャイルドの世界は、潜在意識の奥深くに広がっており、全貌の見えないジャングルだ。私は、セミナーや、トレーニングで、10回ほどインナーチャイルドの癒しを体験している。インナーチャイルドは、たった一人ではなく複数存在していて、各々複雑に絡み合っているように思う。一人を癒すと芋づる式に他のインナーチャイルドも癒されることもあるし、反対に、一回癒したから、スッキリ解決するわけでもなく、しばらくしたら、再び現れ、生き辛さが復活したりもする。つまり、地図の無いジャングルを、手探りで歩まされているようなものなのだ。

Sさんの講座は、ジャングルを攻略するためのアウトラインを提示してくれた。道は複雑に交差していて、全容を表した地図を描くには、国土地理院が手掛ける地図のように、更なる上級講座に進む必要があるのだろうが、少なくとも、今まで闇雲に歩いていた私に、親切で暖かみのあるイラストマップを手渡されたようで、ほっと心が弛む導きだった。

講座の最後に15分ほど、インナーチャイルド癒しワークを体験させていただいた。Sさんのハートフルな声の誘導に、すっかり安心してインナーチャイルドの住む世界へスッと誘われていった。

五つカウントすると、インナーチャイルドが現れる。

夕焼け空。田んぼの畦道。雑草が繁茂している。孤独で胸がギュッと締め付けられるような夕景に、ひぐらしが鳴いている。4歳くらいの私は、心細そうな表情で、頬に涙の筋を残したまま、一人立ちすくんでいる。

母の帰りをひたすら待っている。母がどこに出掛けたのか、何時に帰宅するのか、小さな私は理解していない。ただ、もう母に会えないんじゃないか。母はどこかで死んでしまっていて、私は一人ぼっちになってしまうんじゃないか。底なしの恐怖に、気が狂いそうになっている。恐怖にかられ、手負いの野生動物のように、泣き叫び、荒れ狂っていたのだ。

この出来事は、今も鮮明に覚えている。過去に何度か、催眠療法で癒してきた場面だ。また、今日も出てきたので驚いた。このインナーチャイルドは、まだ癒されていないのだ。何度も大人の私が話しかけ、ハグもし、気持ちを聞いて、説得もした。それでも、この子は、しばらくするとまた現れる。何が足りないのだろうか。

Sさんの催眠誘導に戻る。

やっと母が帰宅した場面に移る。私は自宅で半狂乱になって泣いていた。そんな私を見て、母は一言。「あほらしい。」と、呆れたように呟いた。

私は母のこの一言にいたく傷ついたのだ。この時の感情は瞬間冷凍され、ガチガチに凍りついたまま、半世紀保存された。母の何気ない本音に、ハートの柔らかな部分を無惨に切り付けられたのだ。

そうか、あほらしいのか。どこか冷めた意識も去来していた。

小さな私は、泣いてしまったことを恥ずかしいと感じた。そして、深い無意識の領域に、この感情を閉じ込めて、無かったことにしたのだ。小さいながらも、プライドがあったのかもしれない。

小さな私が凍りついたマンモスみたいになって固まっているので、大人の私が、当時の母に話し掛けた。

「その言葉はあんまりです。この子がどんな気持ちで、あなたの帰りを待っていたと思いますか。優しい声をかけてやってください。」

イメージの中の母は、素直に、悪かったと言って、小さな私に謝ってくれた。小さな私は、そんな母に、怒りを露にし、言葉にならず喚き声を上げながら拳を振り上げた。そうか。あなたは、怒りたかったんだね。こんなに心配したのに。そう伝えたかったんだね。ただ、受け止めて欲しかった。そうだったんだね。

イメージの中、小さな私は、母の膝に顔を埋め、さめざめ泣いた。母は、私の背中を撫でてくれた。

「お母さん、大好き。大好き。」小さな私は、何度も母に伝えた。

そうか。私は、母に、本当は大好きなのだと、伝えたかったのだ。あなたが無事帰ってきて、良かった。安心した。あなたは、私にとって、こんなにも大切な人なのだ。いつまでも私のそばにいてほしい。もうどこにも行かないで!そう伝えたかったのだ。

現実の人生では、母は早逝する。小さな私は、なんとなく、それを予感していたのかもしれない。共に過ごせる時間があまり長くないのを、どこかで理解していて、現実に抗おうと、もがいていたのかもしれない。

小さな私のリクエストにより、イメージの中で、大人の私が、小さな私の両手を持って、グルグル回転させて遊んだ。小さな私は、嬉しそうに笑い声を上げた。

小さな私をハグしながら、心を込めて伝える。

「あれから、大変な人生だったね。小さいのに、よく乗り越えたね。頑張ったね。偉かったよ。強かったよ。あなたが生き抜いてくれたから、今の私の幸せがある。あなたのおかげだよ。ありがとう。私は、あなたが大好きだよ。大好きだよ。大好きだよ。」

小さな私は、ボロボロ泣いた。現実の私の目からも、サラサラと浄化の涙が流れた。

小さな私は、私自身に、大好きだと言ってもらいたかったんだ。誰よりも、私に受け入れて欲しかったんだ。

解催眠後、ようやく、夕焼けに佇む、あのインナーチャイルドが癒されたような実感が湧いてきた。今までに無いスッキリ軽くなった感覚を得た。

潜在意識につながったからといって、インナーチャイルドが直ぐに心を開くとは限らない。一番愛してほしい相手は、他ならぬ自分自身なのだ。そんな自分から拒絶され、無視され続けてきたのだから、インナーチャイルドだって、疑心暗鬼になっている。ふたたび自分自身から否定されたら、傷の上塗りになってしまうから、慎重なのだ。少しずつ、少しずつ、安全を確認しつつ心を開いてくる。

私の場合は、スモールステップで、複数回のセッションを必要とした。これは、人によるだろう。インナーチャイルドから信頼を得るために、私が本気で小さな私と向き合うようになるまで、(成長するまで)辛抱強く待っていてくれた。インナーチャイルドは、私にとっては、魂の教師のような存在でもある。このようにして、私は愛を学んでいく。やがては本質に戻るために。

Sさんの講座は、本当に素晴らしかった。短いワークでも、こんなに効果的だったのは、心理学的分類を分かりやすく説明してくださったことで、より内面を客観視出来たからかもしれない。

ジャングルに、地図無しで挑むのか、ある程度地形を把握してから足を踏み入れるかで、結果が違ってくる。暗闇を無防備で歩む時には誰でも恐怖を感じるものだ。Sさんは、暗闇に持参するよう、ランプに灯を点してくださったのだ。あたたかく、美しい灯を。

Sさんとの出会いに心から感謝している。これからも、素晴らしいご縁に導かれながら、魂の学びを深めていこうと思う。

ありがとうございました!

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