シャドウ・ワーク体験

 


イーハトーヴヒプノセラピーカレッジのリトリートが東京あきる野市で開催された。二泊三日で、秋川渓谷の美しい自然に囲まれ、旧小学校の校舎に宿泊しながらの面白い体験となった。

講師は、トリシア・カエタノさん。通訳は大野百合子さん。どちらの方の著書も私は以前から持っていて、いつかお会い出来たらと願っていた。夢が叶ってとても嬉しい。

ここでは、いくつかの私の個人的な体験を記録しておきたい。


☆シャドウ・ワークとは

シャドウ(影)を認めることは、悟りを得るとか、闇を追い払うという意味ではない。光の中で完全になろうとすることでもない。

意識を深めたり広げること。内面にある拒絶したものを包含する継続的プロセス。

私たちのハートの中にある善と悪、正と誤、光と闇とともに生きる学び。片方が無ければもう一方は存在しない。

このワークは内面の恐怖を表現することではない。すべての部分にコンタクトし、それらを受け入れること。それをするまで、私たちは自分の全体性に至ることはできない。

内なる世界のすべての側面を明らかにし、理解することによって私たちは本当の自分へ導かれ、自分の本質を受け入れ、他者への真の慈愛を体験できるようになる。

(テキストより一部抜粋)


☆ワーク①「大嫌いな人を演じる」

私の大嫌いな人、苦手な人、許せない人、認めたくない人について語る。

私は、「大声を出して怒る人」がどうしてもダメ。私に向かって怒っていなくとも、遠くの方で大声を出していても、体が緊張し、まるで自分がとても責められているような気がしてしまう。あの人があんなに怒っているのは、私のせいではないか?と、あり得ないのに思ってしまうのだ。

次に、その大嫌いな人になりきって、言葉を発するように言われる。演じればよいわけだが、最初はやりにくくてドキドキする。聞き役の相手は一切ジャッジせず、ただ静かに聞いてくれる。兎に角、怒ってみることにする。

「あ~腹が立つなあ。お前のせいだ!お前のせいで何もかもうまくいかない。俺はこんなに頑張っているのに、みんな周りのせいだ。何でこんなにうまくいかないんだ。俺はこんなに正しいのに。みんなみんな、俺以外のせいだ。。。。」

胸がぎゅっと痛くなってくる。怒りの底のほうには、ナイフのような鋭利な悲しみが潜んでいることに気が付く。ドクドクと脈打つような鋭いえぐるような悲しみ。胸が痛すぎて、涙があふれてくる。この悲しみは何だろう?根源的な悲しみのような気がする。絶対的安心な源から分離し、こんなに遠くまで来てしまった。放り出されたような見捨てられたような、どうにもならない孤独。そうか。大きな声を出して怒っている人は、本当はとても悲しいんだ。本質から離れすぎてしまった悲しみだったんだ。私の嫌いなタイプの人たちのエッセンスは確かに私の中にも存在している。私もそれを持っている。そのことが理解できた。

外側で起きることは、私の内面の反映。それはホントなんだ。


☆ワーク②「信念を浄化する」

私の人生の中で確信を持っている言葉を思い出す。

「優しくあらねばならない」

催眠状態になりながら、その言葉を何度も唱える。言葉のエネルギーを感じる。

子供時代に遡る。その言葉を信じてしまった直前に誘導されていく。その原因となった場面で感情を感じる。この信念がどのような形で私を助けているのか。もし信念を持たなければ何が起きるのか。

ありのままの私では誰も好きになってくれないので、優しい自分を演じることで、人に受け入れてもらえる。そうすることで孤独から逃れられる。もし優しさを持たなければ、私は一人ぼっちになってしまう。

この信念のエネルギーを身体から引き出し手に乗せる。信念の無い身体を感じる。手の上のそれが真理かどうか問う。反対の手に真逆の信念のエネルギーを乗せる。ジャッジせず観察してみる。「ありのままでいい」という信念。意外と大丈夫そうな気がしてくる。優しくなくても、孤独でもいいんじゃない?ありのままでいると、ふと緊張が抜けて、自由を感じる。そもそも孤独っていけないことかな?それもありじゃないのかな。

両手を合わせ、二つのエネルギーを混ぜる。そして浄化のために宇宙に投げる。

1,2,3,わ~~~っ(大声とともに放り投げるジェスチャーをする)

超、スッキリする。

私の身体の中の信念が無くなった部分に、新しいエネルギーを入れていく。クリアでクリーンなフレッシュなエネルギーで浄化をする。私は光で洗い流されていくのを感じる。


☆ワーク③「洞窟の祭壇の上に横たわるボディ」

催眠状態で、洞窟に入る。洞窟の中に部屋があり、祭壇がある。祭壇の上にはベールをかぶせられたボディが見えている。そのボディに向かい声をかける。「目を覚ます時間ですよ」

何が起きるのか展開を見守るよう誘導される。

ボディはゆっくりと体を起こしていく。ベールがはらりと落ちていく。そこに現れた姿は。

男性、傷だらけの上半身。鞭で打たれたのか、無数の横にのびた傷がかさぶたになっていて、しかも血がにじんでいるようで、テラテラ光っている。焼け焦げたあとのようにも見える。上半身がひとい傷だらけだ。何かの事故というよりは、おそらく、人為的に体罰を受けたのだろう。長髪の頭部には、いばらの冠を載せている。

「サファリング・・」とその男性は言葉を発する。この一言だけだった。

(後からペアになった方が調べてくれたのだが、サファリングとは苦しみという意味)

この瞬間はこの言葉の意味はよく分からなかったのだが、自己犠牲というニュアンスをひしひしと感じた。誰かの罪のために自分の肉体を差し出す行為をしているというような。

「あなたの一部であるあなた自身を目覚めさせる時がきています。今あなたの中で目覚めつつあるあなた自身はいったいどんな部分でしょうか。」と問われる。

自ら選択していた苦しみの体験を終わらせる。自ら苦しみを体験するために自己犠牲に走っていた部分を見つめ、もうその選択をしなくていいよう、欠乏した部分を癒やしたいと感じている。

☆ワーク④「病院で死にかける」

催眠状態で、病院へ行く。お医者さんからこう告げられる。「あと数時間であなたは死にます。深刻な病にかかっています。あなたは即入院しなければなりません。」

ベッドに横たわる私。病室に母が入ってくる。私の真実を話す最後のチャンスだ。さあ、何を話すのか。「ありがとう。あなたのおかげで、いろんな体験ができた。辛い事もあったけど、ものすごい学びだった。あなたがその役割をやってくれたおかげで、私は人として成長できた。本当にありがとうございました。」

次に父が病室に入ってくる。「愛してくれて、大切にしてくれてありがとうございました。」

最後に、重要な意味のある人物が入ってくる。夫だった。「楽しかった・・・一緒にいろんな体験ができてうれしかった。共に過ごしてくれて本当にありがとう!」夫の顔を見たら涙があふれてきた。夫と共に過ごせたこの人生、本当に嘘偽りなく楽しかったと心底思う。この人に出会えたこと、人生最高の幸運だったと思う。

さて肉体を去るまで後3分。

この人生で何を理解したいか問われる。

「体験」すべての体験を純粋に楽しんだ。そのことを理解した。

人生で同じことをあなたはしたいと思いますか?と問われる。

いや~。もう地球で人間をやるのはいいかな~。もうお腹いっぱいかも。次は別の星に行ってみたいかも。

今この人生でもし違うことが出来たら、貴方は何をしたかった?と問われる。

この人生で良かった!他の人生でなく、これが良かった。私は、魂の望むように生き切ったと思っている。

最後の思考は何でしょう?と問われる。

「ありがとう」感謝だけだ。満足感がある。とても至福だ。

突然ドア開き医者が駆け込んでくる。「ごめんなさい。死にかけているのは隣の部屋の患者さんでした。間違えました。」

さあ、あなたはその人たちとどうやって生きていきますか?

えへへ。と照れながら頭を掻いて、これからも共に生きていくんだろうな。感謝しながら。

今あなたが体験したことを含めあなたは何が理解できたでしょうか。と問われる。

「体験は楽しい。例えどんな体験であろうとも。どんな人生であっても全てOK。それがしたくて私は生きている。」ということが理解できた。


☆ワーク⑤「センターを感じながら欲しいものを前世から持ってくる」

グラウンディングとセンタリングを丁寧にしながら、前世に誘導される。かつて生きていた転生で、私が手に入れたいものを知り、持ち、ポジティブに使っていた転生。私が欲しいものが待っているその場所へ。

残念ながら、この誘導ではほとんど眠ってしまった。おそらく前日の睡眠不足が原因だろう。まあこんなこともあるさ。


☆ワーク⑥「闇を抱きしめる・宇宙を感じる」

催眠状態になり、洞窟に入って行く。音と匂いを感じる。動物がやってくる。私のシャドウを象徴する動物だと言う。

小さなコウモリ。洞窟の天井にぶら下がっている。羽をたたんで顔を隠している。手を伸ばしてその小さなコウモリを手に乗せる。羽がレインコートのような手触り。コウモリの目を見つめる。大きくて真っ黒で、まん丸な可愛い目。

あなたはどういう形で私のシャドウを表現してくれているんですか?コウモリと会話を始める。なぜこの形をした動物が私のところへやって来たのですか?あなたのエネルギーに関してあなたは私に私の何を分かってほしいのですか?

コウモリからテレパシーのように、メッセージが伝わってくる。翻訳するとこんな感じ。

「ぼくは、翼がある。夜の中を飛べるんだよ。ぼくは目がある。夜の中も見られるんだよ。昼間だけが楽しいんじゃないよ。夜も楽しいんだ。夜もう~んと楽しんで!」

つまり、私は、夜(闇)をネガティブなものとして排除しようと必死になってきた。光ばかりを善として求めて来た。世界を昼間にしようとばかりしてきた。でも、見ないようにしてきたシャドウ(影)は、光があれば必ず現れるもの。影が出来ないところには光すら存在できない。両方あっていい。どっちも、良い悪いではなく、「大切な体験」。そして魂は、実はどの体験も「楽しんでいる!」ということが理解できた。

あなたを統合するならあなたの姿はどんな風に変容しますか?

グレーの鳩が登場する。なるほど、白と黒の混合だからグレーか。ちょっと安易だが。

あなたをそのままにしてずっと闇の中に置いておくとしたら何が私に起きるでしょうか?

洞窟の中で身を縮めてぶら下がっている小さなコウモリの姿が見える。顔を隠して、存在を隠すように、ちっちゃ~くなっている、けなげな姿だ。とっても可愛らしいお顔なのに、誰にも見せずにずっと羽で隠したまま。夜の冒険へはばたくこともせずに。夜の世界の醍醐味を知ることもなく。つまり、人生の半分しか意味を味わえないということ。すごくもったいない人生になるということ。

さて、闇の方のドアに向かって誘導されていく。

ポータルを抜ける。その次元を離れる。黒だけの世界、空中に浮いている。何の感覚も無い世界。黒だけがそこにある。黒を抱きしめ所有する。

開いた扉を抜け、宇宙に入り込む。銀河とブラックホールを見る。宇宙の活動と創造を見る。惑星を創る。太陽系のような系を創る。たくさんの銀河を数えきれない星を創る。宇宙の端っこまで行ってみる。宇宙の外側を見る。今度は、太陽系へ降りていく。地球が小さく見えてくる。どんどん降りる。日本を見る。私の内側に全部の宇宙を創ったクリエーションを秘めながら、この小さな惑星の小さな肉体を探す。何のジャッジメントも交えず、私が宿っているこの小さな体を思う。

もし、何かひとつ、あなたにあげられるとしたら、何をあげますか?と問われる。

「体験」シンプルにそれだけだ。どんな体験も私は味わいにここに来たのだから。

意識の中の宇宙全体、宇宙全てを保持する。気付き、宇宙、光と闇、全部が私の中にあるのを感じる。私の内側の宇宙の創造そのものを感じる。


☆最後のワーク

参加者全員が輪になって立つ。真ん中に、大きなポット(鍋)があるとイメージする。その中に、もう不要になった信念や、手放したいものを入れていく。全員で、手を実際に動かして、ポットを持ち上げる。大きなポットなので、皆でバランスを取りながら、呼吸を合わせでもち上げていく。1,2,3と掛け声に合わせ、大声を発しながら、そのポットを宇宙へ放り投げる。「わ~~~っ!!!」全員の手が上空に伸び、空を見上げる。本当に宇宙が見えたような気がした。心の中の重石が消えたような、清々しい気持ちになっている。とても軽いエネルギーとなっていく。

次に、部屋の中を自由に歩き回り、目の合った方に「ありがとう」を伝えていく。だんだん、感極まってきて、涙がボロボロ流れる。感謝の気持ちがどんどんあふれてくる。最初は握手だったのが、次第にオープンハートになっていき、ハグをしていた。周り中で、感謝と涙とハグが繰り返されていく。出逢えて良かった。全員が深い部分でつながっているのを感じていたと思う。

ここに記録したのは、ほんの一部だ。その他にも、体を使ったいいくつかのワーク、先生の講義、デモセッション、セミナー後の懇親会や、ベッドに横になりながらの会話、見上げた星空、車で連れて行ってもらった温泉、朝の散歩、あきる野の美しい自然など、すべてが程よく絡み合い、相乗効果により浄化されたのだと思っている。

素晴らしい体験だった。



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