年齢退行療法体験~お姫様になりそこねたお猿




 本日、年齢退行催眠療法を受けたので、記録しておく。

☆テーマ

承認欲求が強い。いつも人目が気にはなり、人の役に立っている自分を意識し、褒めてもらいたいと思ってしまう。インナーチャイルドがいるなら、癒したい。

☆安全地帯へ

ショウブ園に、和装で立っている。背に一本芯が通り、丹田に力が入り、エネルギーに満ちてスクッと立つ感覚。自立というイメージを受けとる。

☆幼少期の楽しい場面

3歳。公園の砂場で、1人遊び中。他の遊具は大きいため、怖いと言う。砂を器に入れたり出したりしている。ひんやり、サラサラした砂の感触を楽しんでいる。

☆大切な場面

同じく3歳。プラスチックのコップを怒りにまかせ、母親に向かって投げつけた場面。イラついた理由は、よく分からない。小さい頃はこうやって、説明つかない苛立ちを、物を投げて発散していた様子。まだ、内面を言葉に表現し伝えることが出来ない。

母親は、「これを許してはならない。自分で考えさせる。」と言って、小さな私に背を向けて座り込み。私がどんなに泣きわめいても、無視を貫き通す。

私は小さな頭で考え、「ごめんなさい。」と母親に謝る。母親はニッコリ笑い、抱っこしてくれる。私はほっとしている。

怒りの感情を物を投げることで発散するのはもう止めようと決意している。それほど、母親から無視されたのがショックだった様子。自分の感情を律することを初めて学んだようだ。恐怖の裏打ちではあったが。当時の躾はこんなものだった。このように、飴と鞭の使い分けで、恐怖、不安、欠乏を刺激されまくり、幻の安心を求めて彷徨う人生へ漕ぎ出すのだった。

☆次の場面

幼稚園。発表会の練習中。私は劇でお姫様役に選ばれた。先生に振り付けを習っている。先生は、すごくイライラしている。私は先生に言われていることが理解できない。怖いので、頭が混乱し、さらに覚えられない。頭がぼ~っとしてくる。

先生に意識交代

「○○ちゃんは、背が高いので、お姫様役にどうかと思ったのだが、なかなか動きを覚えてくれない。配役を変更します。親御さんにそのことは説明します。出来ないなら仕方ないです。○○ちゃんは、お猿役になってもらいます。」

しかし、何故か、私に配役変更の説明は誰からもされなかった。私は発表会当日まで、お姫様役だと思っていたのだ。母親が、なぜ、茶色の衣装を用意しているのか不思議だった。何か勘違いしているのではと思っていた。

おそらく、母親は、私を哀れに思い、言いにくいので、つい誤魔化そうとしたのか。先生から伝えられたと思って、触れないようにしてくれていたのか。分からない。

私はお猿役の振り付けを、お姫様役だと思って練習していたのだ。

いつの間に、配役を変更されていたことを、当日知り、ショックだったのだが、仕方ないと思っている。振り付けを覚えられず先生をイライラさせたのも理解できる。「出来ない私が悪い。」と言う。

小さな私は、舞台でお猿役も一生懸命演じた。母親から「お猿役も上手だよ。」と褒めてもらう。写真もいっぱい撮影してもらう。しかし、どこか欠乏感が残っている。私は本音を出そうとしない。根本に直面せず、誰かに褒めてもらうことで、その穴を埋めようと格闘し始めた負のループのスタートである。

発表会は、「自分は能力が欠けている。ダメな人間。」という思い込みがしっかり入ってしまった出来事だった。大したことない小さなハプニングだと思っていたが、小さな私は大いに自尊心を傷つけられていたことが理解できた。

セラピストから、先生や母親に本音を言うよう促されるが、「自分が悪いから、もういいの。困らせるから、言わない。」と頑なになっている。大人がどう考えているのか、何故か分かっている。小さい子は潜在意識につながっているから、集合意識を通し、他の人の気持ちも自然と理解できていたようだ。大人の事情をすんなり受け入れている。

大人の私がインナーチャイルドの隣にやってくる。インナーチャイルドは、ずっと、お猿の衣装を着たままの姿で、泣いている。インナーチャイルドには悪いが、大人のわたしは、そんな小さな私を微笑ましく感じる。お猿の格好が、とても似合っていて、「私、可愛いじゃん!」としみじみ思う。(親バカ?自分バカ?)お姫様より全然イイヨ。私らしいじゃん。

しかし、インナーチャイルドは、世間の思い込み(お姫様は勝ち組。お猿は負け組)に縛られ苦しんでいる。

「小学生になったら、授業参観日に、クラスで短い劇をやるチャンスがある。その時にあなたはお姫様役をやるよ。リベンジできるよ。」と大人の私が、インナーチャイルドを慰める。

インナーチャイルドは、母親と大人の私に、その劇を見に来てほしいと言う。「一生懸命やるから、褒めてほしい。」と。

イメージの中で、小学生の私はお姫様役を無事、こなした。母親に笑顔を向けられ、大人の私から拍手され

「喜んでもらえて良かった。安心した。」と言う。

しかし、次のようにも言う。

「一生懸命やって、練習して、褒めてもらえたら安心するけど、それは長く続かないの。また、次が来るから。また、一生懸命やらなきゃならない。これは、いつまで続けなきゃならないの?ずっと安心できないの?」

大人の私は、このインナーチャイルドの言葉から、ハッと気付きを得る。

幼稚園の時に、上手くお姫様役をやれなくて、お猿に配役変更されてしまった、不器用な私を、否定してきたのは、他の誰でもなく、私自身だった。

そのままじゃ、私はダメなんだ。もっと一生懸命やらなきゃ。喜んでもらわなきゃ。でないと、受け入れてもらえないんだ。

褒めて、私を褒めて。そうしたら、私はきっと、うまくいっていると信じて安心するに違いないから。

インナーチャイルドが一番受け入れてほしかったのは、褒めてほしかったのは、私自身だったんだ。私がこの子をこんなに追い詰めたんだ。

「今、気がついた。今まであなたを受け入れようとしなかった。本当にごめんなさい。」私は涙を流し、お猿の衣装を着たインナーチャイルドを抱き締める。小さくて、健気で、頑張りやさんのインナーチャイルド。たくさんたくさん努力して、リベンジも果たしたのに、私はこの子に、「はい。次。また次。」と、課題を与えるばかりで、褒めたり感謝することなど無かったように思う。

「褒めて。私を褒めて。」

心の叫びは、私から私へのメッセージだった。

☆ハイアーセルフからアドバイス

「もし、人目が気になったり、つい、誰かに褒めて欲しいという欲求が出てきたら、この、お猿の格好をしたインナーチャイルドを心に思い描きなさい。そして、「よくやってるよ。頑張ったね。ありがとう。」など、言葉をかけたり、頭をなでたり、してください。

続ければ、承認欲求は、だんだん気にならなくなるでしょう。

また、懸念している病は自分で引き寄せているもの。自分の中を浄化しなさい。」

不要な思い込みをどんどん手放し、本音で生きる選択をするということだと思う。


☆講師からのアドバイス

今回は練習会だったので、講師からアドバイスがいただけた。

インナーチャイルドとの統合場面で、大人の私が「あなたはそのままでいいんだよ。」と声掛けし、抱き締めたのだが、インナーチャイルドは、ポカンとしていた。

「え?いきなり、そのままでいいと言われてても。どういうこと?」という反応だった。

セラピスト役の受講生も、これはスクリプト通りに進めようとしたため、強引だったのではと気にしていた。

講師からは、「ポカンとしていたということは、インナーチャイルドは充分に癒されていない。」と指摘された。

もっと、小さな私の本音を引き出し、味方になり、守ってあげる必要があったと言う。

インナーチャイルドは、大人にものすごく気を使う。いい子のままでいようとする。大人の事情を慮ってばかりいるので、なかなか本音を見せてくれない。

いい子でいようとする大元は、冒頭に出てきたプラスチックコップを投げて母親から無視された出来事だ。大人の言うことを聞かないと、私は存在を無視されてしまう。愛されなくなる。生きていけなくなる。という生存危機の本能が働いたのだろう。自分の感情を律する(閉じ込める。隠す)のは、恐怖の裏返しだ。このように、幼少期は、潜在意識に大人からの躾による膨大な思い込みが蓄えられている。

例えばこの講師ならどう誘導したか。

幼稚園の先生に意識交代した時に、セラピストから先生に次のように質問してみると言う。

「今なら、○○ちゃんにどんな言葉をかけますか?○○ちゃんは、配役変更を知らされませんでした。もし、先生が、○○ちゃんの立場なら、どう感じるでしょうか。」

このように、突っ込んだ質問をしてみることで、傷つけた原因の大人から謝ってもらえるよう、流れを持っていくのだと。

そのやり取りを聞いている小さな私は、少しずつ心を開いてくる。セラピストの誘導は匍匐前進なのだそうだ。

インナーチャイルドは、本音を誰かに聞いてもらうまでは、癒されない。年齢退行療法の目的は、インナーチャイルドを癒すこと。これ一本だ。

この講師は、「当日まで配役変更を知らされないなんて、あんまりだわ。そして、インナーチャイルドが、自分が悪いからと大人に気を使ったままでいるなんて!」と、真剣に向かってくれた。(講評の時の例え話だとしても、語気が怒っていた。愛ある講師だなあと思う。)

その例示を聞いていただけで、私の中がスーッとほどけていくのを感じた。「私のために、真剣に怒ってくれた。こんな大人がいるんだ。」と、インナーチャイルドは喜んでいる。

やはり、ベテランセラピストは、すごいなと思った。

セラピストは研鑽を重ねる必要があると、気持ちをさらに引き締めた一日だった。学び多い練習会だった。

素敵な刺激をもたらしてくださったセラピスト役のK さん、ありがとうございました。


写真*私の郷土玩具コレクションより

思いの外、お猿さんがたくさんいた。


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