年齢退行催眠~幼児期編

 退行催眠セミナー最終日

誰もが、何だか生きづらいなあと感じる問題を抱えて生きていると思う。その原因が、小さな頃の、もう忘れてしまったささやかな出来事に起因することもある。

そんな、典型例になるかと思うので、参考にしていただけたら嬉しい。

◇テーマ

物心ついた頃から、なぜか集団が苦手。友達をあまり作れなかった。しかし、各年代に必ず一人は仲のよい友はいたし、ひどい苛めを受けた記憶もない。大人になってからも、大勢で何かをやっていると、例えそれが順調であっても、辛くなってきて、離れたくなる。原因を知りたい。

◇小さな頃の楽しかった場面へ誘導

3歳。畑でサツマイモを掘っている。姉の通う幼稚園の芋掘りイベントに参加。まわりに大勢の子どもや、母親がいる。「お芋掘るの、楽しい!」と満面笑顔の私。

◇テーマに関わる感情を初めて感じた場面へ誘導

5歳。幼稚園の教室の中、大勢の子ども達が遊んでいる。

私は、緊張して立っている。

やがて、問題のシーンが始まる。

右手と左手をそれぞれ、友達につかまれて、左右から引っ張り合いになる。おそらく、「こっちで遊ぼう。」と、それぞれに誘われ、私を取り合いになったのか。

「痛いよ。痛い~!」急に泣き出す私。

左腕に激痛。手が上がらなくなる。すぐ別室に連れていかれ、園長先生のクルマで病院へ運ばれる。温かい機械に腕を挟まれ、包帯を巻かれる。(脱臼した記憶がある。)

セラピストから

「Yちゃん、お友達に、もう手を引っ張らないでって、自分で言える?」と問いかけ。

私「言えない」

セ「Yちゃん、お友達に引っ張られて、手が痛くなっちゃったこと、先生にお話して、先生から言ってもらう?」

私「だって、園長先生は、よく知らない人だから。言えない。」

セ「お母さんに言ってもらう?」

私「ううん。いい。」

セ「どうして?」

私「だって、そうしたら、その子が悲しくなっちゃうでしょ。」

(引っ張った子が、私が脱臼して治療受けたことを知ったら、悲しむかもと、ひたすら心配している。)

場面を進める

幼稚園教室の場面

セ「どんな気持ち?」

私「みんなのこと好きだけど、みんなと遊ぶの怖い。もう痛いのイヤ。」

セ「どうしたい?」

私「一人で遊ぶ。」

セ「でも、本当は、みんなと遊びたいでしょ?」

私「う~ん。じゃあ、大人しい子と遊ぶ。○○くんと、△△ちゃんがいるから、いい。」

セ「今、教室に先生居る?先生に、言ってもらわない?」

私「先生、もう忘れてるから。」

(頑なな私。本心はみんなと遊びたいが、どうしても恐怖心があり、一人か少人数で遊ぶという解決策に固執する。)

セ「じゃあ、手を引っ張った子にお話して、謝ってもらおうよ。」

私「う~ん。でも、その子が悲しくならない?」

セ「大丈夫。意識交代といってね、Yちゃんが、その子のなかに入ると、その子の気持ちが分かるんだよ。やってみる?」

(ずっと寄り添って、心配してくれるセラピストからのあたたかい愛に包まれ、私の心が徐々に開いてきている。何とか解決してあげたいという優しい気持ちが、しっかり伝わってくる。この時、潜在意識では、セラピストとクライアントは、繋がり合い、問題解決に向けて共同作業をしている。小さな私の中に、信頼感が芽生えてくる。頑なだった心に、新たな展開へ進む勇気が湧いてくる。)

セ「三つ数えると、手を引っ張った子の中に入るよ。1、2、3、はい。」

セ「お名前なんていうの?」

その子「タケシ」

セ「タケちゃん、なぜYちゃんの手を引っ張ったのかな?」

タケシ「向こうで遊ぼうとしてたから、こっちで一緒に遊ぼうよって、引っ張ったの。」

セ「でも、手を引っ張られて、Yちゃんは、手か痛くなっちゃったんだって。どうしたらいいと思う?」

タケシくん、一瞬呆然とし、泣き出す。

タケシ「Yちゃんに、ごめんなさいする。」

セ「ごめんなさいしてくれる?タケちゃん、ありがとう。じゃあ、Yちゃんに謝りに行ってくれるかな?」

タケシ「うん、行ってくる。」

(タケシくんから私へ意識交代)

セ「Yちゃん、今、どんな気持?」

私「タケシくん、泣いてたから·····少し、恥ずかしかった。でも、嬉しかった。」

セ「嬉しかったんだね。良かったね。じゃあ、もうみんなで遊べる?」

私「タケシくんとなら、もう遊べる。」

(その後、セラピストの誘導で、何回かみんなと遊ぶ場面を体験。最初は4人くらいとしか遊べず、慎重なスタートだったが、セラピストの親身な寄り添いのお陰で、最後は7人と、積み木で遊べるようになる。)

◇大人の私と対面

大人の私から小さな私へ声掛け

「痛かったね。辛かったね。でも、お友達の気持ちを考えて、えらかったね。もうYちゃんは、痛い思いをすることは無いからね。これからは、安心してみんなと楽しく遊んでね。」脱臼した左腕を撫でてあげる。

セラピストの誘導で、二人で人形遊びをして楽しむ。

大人の私と小さなわたしは、いつも繋がっていることを実感し、確認し合う。

(ここまでで、過去の感情の解放、癒し、統合が行われる。)

◇安全地帯へ戻る

小さな私とお別れし、安全地帯へ戻る。セッション前と今の感じ方の違いを味わう。

ハートがポカポカして、優しさに包まれているのを味わう。

◇事後面談

集団が苦手になった原因が、まさか、幼稚園の時の脱臼事件にあったとは、意外すぎて驚いた。脱臼は、人生で最大級の痛みの経験だったと記憶しているが、前後の詳細はすっかり忘れていた。みんなと遊ぶと、また痛い思いをするかもしれないと、恐怖心を抱いてしまった私は、知恵を絞り、一人または少人数としか関わらないという戦略を取ることになる。しかし、原因となった友達をひたすらかばう気持ちに、我ながら心打たれた。まだ、自我が確立していない小さな私は、こんなに愛と優しさ溢れる心で生きていたんだなあと、自分を抱きしめたい気持ちになった。

また、セッション中は、セラピストからもあたたかい愛と優しさのエネルギーを感じ、言葉を越えたメッセージをたくさん受け取ったように思う。頑なな私に寄り添い、固い蕾がゆっくりゆっくり開いていけるように、最後まで諦めずに寄り添ってくれたことに感謝している。セラピストからも「Yちゃんの優しい気持ちがすごく伝わってきたので、心から何とかしたいと思うようになった。」と感想をいただいた。講師からも「とてもあたたかくて、いいセッションでした。」と笑顔のコメントをいただいた。

◇年齢退行催眠の特徴

問題の原因となる場面を再体験し、感情をしっかり味わうことで、閉じ込められたエネルギーを解放。その後、潜在意識の中で、セラピストに誘導されながら、協力して問題解決をはかる。相手に謝罪してもらったり、大人の自分や理想の人物から相手に説教してもらったり、ウルトラマンに助けに来てもらうこともできる。過去に、幼い自分の力では解決できなかったことをイメージの中でプラスの体験につなげていく。小さな私は、苦しかった気持ちを誰かに分かってもらい、新たに自分で解決したり、助けてもらうことで、心から納得、安心して、鎮まっていく。

一番のポイントは、大人の自分が小さな自分の気持ちをそのまま受け入れて、共感し、癒すこと。そして、分離していた私が統合されていく。こうすることで、過去の感情は書き換えられ、原因不明の生き辛さが解消される。

催眠療法の醍醐味は、潜在意識に繋がることで、本質の自分に近づいていけるところにある。

私は、今回のセッションを通し、本来の私が、愛と優しさのエネルギーであったことを体感した。

大人になるにつれて、沢山のエゴを身に纏ってしまったため、偽物の自分を生きてきてしまった。いつも、不安をベースに選択し、外側からもたらされる幸せばかりを追求してきた。しかし、どれだけ幸せをつかんでも、欠乏感は埋まらない。それは一時的な高揚でしかなく、また、不安が押し寄せてくる。

催眠療法を受けて、潜在意識を通し、奥深くの自分を体感すると、外に探していたものがすべて、自分の中にあることに気づく。

もう、不安に追いかけられる偽物の自分を生きる必要はない。本当の幸せは、既に自分のなかにある。それを思い出すだけなのだ。

潜在意識の面白さ、素晴らしさを、ぜひ多くの方に味わっていただけたらと願う。

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